4.Medley: Surfin' Safari/Fun, Fun, Fun/Shut Down/Little Deuce Coupe/Surfin' U.S.A.
（live 1966)
サーフィン／ホットロッド時代のヒット曲をメドレーで演奏しています。66年のライブということは「Pet Sounds」の頃だから、すでにブライアンは不参加です。でも解説によれば、この時のツアーには同行しているらしい。

他のメンバーがこのような脳天気な曲を歌っていた時に、ブライアンはドラッグ漬けで暗黒の「スマイル」制作に明け暮れていたというのが、ものすごいギャップです。ここではそんな事は微塵も感じさせないバンドとしての演奏です。メドレーの繋ぎ方も結構無理矢理なところがあったりして面白いです。

昔のライブでの演奏力は今にしてみれば確かに未熟で貧弱と言えなくもないんですが、まだ若くて元気のいい彼らの姿を垣間見ることができます。特にここで聴けるデニスのドラミングは、ヤクザな感じでとてもいい味を出しています。時代を考えれば仕方のないことですけど彼のドラムはまったくの自己流で、今ビデオで観てもフォームがメチャクチャだったりするんですが、僕はそのヤクザ加減がたまらなく好きなのです。こんなヘタウマで個性的なドラマーは現在ではさすがにいませんね。 これを聴くと91年に武道館で観た来日公演を思い出してしまいます。その時もブライアンはグループとのトラブルの真っ最中で不参加でしたが（カール存命中の最後の来日になってしまったから本当に残念）、それ以外のメンバー達は元気にこれら往年の名曲をやはりメドレーで歌っていました。
この形って60年代から演ってたんですね。

(古殿竜夫／98.12.4.)