16.Do It Again（Early Version）
ツアーにセールスに泣かず飛ばずだった'68年の後、タイトル通り「夢よもう一度」とブライアンの曲にマイクの海とサーフィンと女の子の歌詞を乗せた久々のヒット曲で「20/20」収録曲。これはその初期バージョン。

軽やかなコーラスとサウンドはどんどん盛り上がっていくのにメインのマイクの唄に覇気がないのは「20/20」ヴァージョンと一緒なのが可笑しかった。

ちなみに「20/20」ヴァージョンのエンディングには「SMiLE」ネタから「The Woodshop Song」の後半の大工音がさりげなく流用されているってのも一口メモとして忘れてはならない。

「Wild Honey」「Friends」「20/20」とこの時期一般にBBはどん底だったとされているが、ひいき目抜きにして駄作は一つもないし、初期や「PetSounds」「Smile」期とも違った実に味わい深い作品を発表し続 けている。だがサーフィンを唄ったこの曲が久々のヒットとなったことに象徴されるように、世の中はBBをそのバンド名以上の存在として見ようとはしなかった。これは大きな罪である。今更なんなのだ、もうデニスもカールも居ないのに・・・。

ドン・ウォズのブライアン映画「I Just Wasn't Made For These Times」では娘のカーニー、ウェンディとの共演でブライアン自身が唄うバージョンがエンディングに収録されている(サントラでは中盤)。父親らしいことを何一つ出来なかったブライアンと、成長と共に父親の当時の境遇を理解し、和解へと向かったエピソードの後に唄われる「Do It Again」は実に感動的である。

今回のブライアンのツアーでも取り上げられているらしく、７月の来日公演でもし演奏されたならとても平常では居られそうにない。

そうだ、おいらももう一度やってみよう！(何をだ!?)

(浜尾六郎／99.5.1.)