小椋一紀(北の国から)/堕天使、AMPS
web/堕天使
■dollar brand/african piano
(ポリドール/POCJ-2201)
1969年に録音されたダラーブランドのピアノソロ。 ピアノジャズ畑では有名な1枚だそうですがジャズを知らないワタクシは今年初めてそのワレガネのようなピアノの旋律に頭を割られてはまってしまいました。
割れたピアノの旋律でワンリフのパターンを繰り返し、少しづつその旋律に音を重ねていく楽曲は知らないうちに音の世界に埋没してしまいます。
オシャレ系スタンダードやフリー系とも違い、ジャズがインナースペースの音楽だと再認識させてくれる1枚です。
■CAN/MONSTER
MOVIE
(Spoon CD 004)
こちらの常連の方にはリスナーも多いと思われますがあえて1枚。
(私のとってはもう人生の5枚の中の1枚ですので。)
ジャーマンプログレの雄、CANの1stアルバム。ダモ鈴木も捨てがたいがやはりボーカル経験などなくレコーディングに参加したマルコム・ムーニーのとにかく語る歌には聞き手の魂魄を揺さぶる何かがあります。(なんだろう・・・??? やはり精神疾病患者だからでしょうか・・・。)
今年もかなり聞きました。CDはアナログ版と違って磨り減らないから助かります。
■BRIGITTE
FONTAINE/COMME A LA RADIO
(サラヴァ OMCX-1006)
こちらも異彩シャンソン歌手の雄、ブリジット・フォンティーヌの「ラジオのように」。
フォンティーヌの歌よりもアメリカでは全く売れなかったバックバンドの即興集団アート・アンサンブル・シカゴの演奏の妙がすばらしい1枚。
単純なリフでここまで緊張感を漂わせることができるのはやはり匠の技。そこまで往きたいものです。
(上の2枚含めジャズ、プログレ、シャンソンとジャンルは全部1曲目がワンリフで通しているアルバムばかりだな〜。やはりPILニューウェイブ世代のせいでしょうか・・・。)
■ラビッツ/ラビッツの世界
(いぬん堂 WC-005〜6)
80年代に活躍していた宮沢正一率いるラビッツのカセットの今年出た再発版。
マイブラのケヴィン・シールドよ、ソニック・ユースのサーストン・ムーアよ、聞け!! ラビッツを!!
サイケノイズギターとはこういう風に弾くものなのだ!!(本当かな・・・???)
もうラビッツの前ではジャンルもなにも関係ない。全てがこの音にある!!
限定500枚ソールドアウトだそうですが「うた」を歌いたい方は是非持ってるヒト探して聞くべし。
(フジヤマあたりに行けばまだ手に入るのではないでしょうか・・・。)
■わがままな月/覚醒の羽
(セルフィッシュ レコ番???)
ex.非常階段のめぐろゆかさんがボーカルのバンド。
非常階段が「音」を聞かせるのに対してわがままな月は「うた」を聞かせてくれます。
メンバーもG:絹山田浩二郎、Dr:土屋 巌(吉野大作&プロスティチュート)、Ba:大林 一彦(元:ルースターズ)と過去に音量の大きいバンドの経歴者がそろっているのですが演奏は各々が静かにじっくり聞かせるサウンドを奏でてくれます。
はじめて楽曲を聞いた時にはそのメンバーから想像していたものとは全く別の、ゆるやかな「うた」の世界に驚いてしまいました。
単に自分が昔、轟音系が大好きで(今もたまに聞きますが自分で演奏するのはとてもつづかないです。・・・体力が。)よる年波に勝てず、嗜好が変わってきたのと世代的に波長があっているだけかもしれませんが今、気負いなく聞ける「うた」の1枚です。
【総括】
いつものことながらジャンル、年代、無視の無節操な音楽史観の1年でした。
今年は過去の発掘が多い年でした。
都落ち等、今年は色々あった1年でしたが年の締めくくりに久方ぶりに遁生サウンドが聞けてよかったです。
来年の1枚には間違いなく加わると思います。(2001.12.9)