2001.2..20. up |
栗原徹/ブラン ■Aimee Man / bachelor No.2 「マグノリア」という映画のサントラの殆どの曲はこの人の曲で、しかもこのアルバムとも何曲かかぶっているが、映画を観て気に入ったのならこっちのアルバムを聴いた方がいいでしょう。何かこの人の曲は妙にスケールの大きい感じがして、音の作りは割りとソフト目なのだがロックなテンションの高さを感じる。この人のアルバムはいつも、ヒット曲になるようなキャッチーさは無いけれどどれも良い曲ばかりで、なんつーかどの科目も平均して点の良い期末テストのようだ。 ■MAD3 / TEEN-AGE DELINQUENT! 「特撮」という、昭和の特撮番組の主題歌をトリビュートしたアルバム(殆ど話題にならなかった)を試聴した時にMAD3の演奏する「怪奇大作戦」の主題歌「恐怖の街」を聴いたのが最初だったのだが、ギターウルフとはまた違った気合の入り方に感動してしまった。インストバンドというところや、ドラムの人がライブの最後に必ずドラムセットを壊すという話も気に入ってしまったのでした。2000年にはメジャー移籍第一弾アルバムが出たのだが、ちょっとゴージャス感が強すぎたので、初めて買って一番良く聴いたこのアルバム。難しい理屈は考えずに、ロケンロールのカッコよさだけを目指してやるとこうなったって感じがしました。 ■The Muffs / Alert Today Alive Tomorrow これも購入したのは正確には99年なのですが、2000年に一番聴いたCDの一つ。 聴くものが無いとこれを聴いていたような気がする。曲は短くて割りとパンクでブサイクめな女性ボーカルでシャウトは野太いのに、切なくていい曲ばかりで、メロコアだかエモコアだか知らないがそういう単純なカテゴリーで分けたくないのです。 最近のあーいうポップでコアな人らの曲は、ナニを根拠にああポジティブなのだろうと思ってしまうのですが、マフスの曲はメロディーは明るいのに別れや孤独感疎外感を唄った歌詞がけっこう多くて、人間そうそうしょっちゅう明るくいられないと思っている人には、こちらの方がリアリティーを感じるのではないかな。例えばもしもピーズがお好きならマフスはきっと気に入る思います。 ■Juliana Hatfield / Beatiful Creature そんなに大ファンという訳ではないのですがアルバムが出ると買ってしまいます。別にルックスは好きじゃないんだけど、このアルバムともう一枚ハードで暗い曲ばっかのアルバムと二枚ワンパッケージで出たのですが、こっちの方ばかり聴きました。参加ミュージシャンも少なめでシンガーソングライターっぽい。音の感じももちろんそうなのですが、非常に「静かな」トーンの曲が多くて聴いてて落ち着きます。 ■Kid Rock / Devil without a couse レイジやリンプなどの所謂ラウド系と一緒にされる事もたまにあるようですが、この人はもっと節操なくて、カントリーと南部っぽいロケンロールとハードロックとラップとオルタナを分かりやすく混ぜていて、なんというか「芸能」っぽい印象を受けました。米国では98年に出ていて、2000年までずーっと売れていたらしい。確かに同じ白人ラップでもEMINEMよりこっちの方がロック好きには良いんでしょう。ちょっとウソ臭いところが逆に気に入ってしまいました。 ワタクシの印象としては、1985〜86年あたりのラップ&ヒップホップが一般化していった頃のDef Jamラップのハードロックテイスト(アルバムでいうとRUN DMCのレイジング・ヘルやビースティーの1st)を最新型にしたってイメージです。本人も葉巻咥えて「No.1 pimp(ヒモ)のKid Rockだメーン」って言ってたりして、ラッパーのワルなイメージと往年のロケンロールスタイルのワイルドさをうまく混ぜたキャラクターを自作自演していて、その自作自演なところを分かっていながら聴いてしまったなあ。
(2001.1.2)
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