2001.2..20. up |
アダチカツノリ/遁生レコード、ブラン ■Led Zeppelin/Listen To This Eddie (Silver Ralities) 今年は遁レコブランが平常営業状態となって、昨年みたいな空いた時間はすべてCD焼きに費やすなどという泥沼ブートトレード生活はさすがに控えるようになったのだけれど、なんだかんだお誘いを頂くとついつい「OK,Let's Trade!」とキーボードを叩いてしまうわけで。 とにかくとにかくビートルズ、BBはひとまず手に入れるべきモノは持っ たので今年はおいらのブート道の原点、ZEP収集に集中。 まずは日本が世界に誇るキング・オブ・ZEPブートレーベル、Taranturaを中心にあれやこれや。なんてったってあれだけ精力的にライ ブ活動を行ってきたバンドでございます。名演、駄演もろもろありで、 久々にZEP熱が盛り上がった年でもありやした。 そんな中でもお気に入りだったのがタラ盤ではごさんせんが、 77年ロス公演のこの3枚組。レコード時代からレーベルを変えつつリリースされ続けてきたこの名タイトル。「Eddie」は当時新たなギター ヒーローとして脚光を浴び始めたヴァン・ヘイレンのエディのこと。70年代後半パンクやハードロックの台頭で世間的にはオ ールド・ウェイブ呼ばれわされつつあったZEP、「そうは云うけどじゃ、エデイよこれを聴いても そう云うんかぁ、おい」ってなブートレガーの熱い思いが込められているってわけ。 まぁとにかく77年と云えば「フィジカル」は出てるは「プレゼンス」 は出てるは、しかもライブバンドとしては最高の時期、新旧織り交ぜ、変に円熟化せず、危うくも重く熱い音の固まりがたまらんのです。 オーディエンス録音なのだけれど、下手なサウンドボード盤より会場の臨場感があってこれまた燃える訳でございます。 個人的なツボは1曲目「The Song Remains The Same」が終わって続く「Sick Again」に入る流れ。この日の演奏ではペイジのギタートラブル か何かでイントロ途中でギターの音がちらっと途切れるアクシデントがあるのだけれど、それにしてもこの「来るぞ来るぞ・・・き、来た〜」 って感覚おわかりいただけますでしょうか。73年ツアーの「Rock and Roll」 から「Celebration Day」へってのも好きですが、とにかくどちらも絶妙なんだな。1曲目で御約束の盛り上がり曲で入って、間髪入れぬ的確な 選曲で2曲目へ、気が付いたらもう夢心地。 そんなわけでブランのライブでも結構1曲目はすんなり決められるのだけれど、2曲目どれを持ってくるのかってことは結構悩むもので・・・こんなところにZEPの影響が!? さてさてそんなわけで。 行くつもりはなかったけど、突然の来日中止のペイジの病状回復を祈りつつ、 ますますのご活躍を祈りつつ、あまり無理をしないでねと気遣いつつ、かつての君の輝きに胸を熱くする私の2000年でございました。 他にZEPブートではスタジオアウトテイクの集大成11枚組「Studio Sessions」 (Antrabata)がご馳走でした。 ■Brian Wilson/SweetInsanity millennium Edition (HAL-001) 「SMiLE」に「SweetInsanity」に「Adult Child」と、BB関連ブートで続々リリースされる「millennium Edition」の冠に心躍らされ、「ダメよダメよ」とわかっていても財布の紐がついついゆるんでしまった2000年。 そんなお方は私に限らずたくさんいらっしゃったことでしょうなぁ。 案の定そんなこんなで悲喜こもごも。騙される方も騙される方で知ったこっちゃない自業自得のお話でございますが、一応ブライアン幻の2ndのこいつだけはまさに決定版とも云える素晴らしい内容でございました。昨年決定版として挙げた EverGreenの2枚組も本編の音質はオフィシャルレベルで引けを取らず、かつ1stから「Imagination」の間のサントラやオムニバスに収録された楽曲がまとめて揃うっていう意味ではマストではあるのだけれど、アルバム単体として「SweetInsanity」を満喫したいのなら取り敢えずこいつでしょう。うれし楽しのポップロックアルバム、一体全体なんでこいつをボツにする。一体全体悪いのは誰なのさ。 あと今年は悲願のブラザー/カリブ期の再発、99年7月の夢再びのライブ盤 「Live at The Roxy Theatre」のリリースなんてこともありました。BBファン にはまたもうれし楽しの1年でございました。 ■John Lennon/Plastic Ono Band (TOCP-65520) そんな「millennium Edition」もさすがオフィシャルモノとなれば芸が違う。 「Imagine」から始まってドキュメンタリー「Gimme Some Truth」のリリースを挟んでこの「ジョン魂」と「Double Fantasy」、大宮に博物館が出来たり、TV-CM に頻繁に登場したり何ともジョンの周りが騒がしい1年でしたな。 そうそうビートル本「アンソロジー」もベスト盤リリースも今年でしたな。しかしあのテレビCMの「ビートルズ初のベストCD」って文句、一体何なんだろ。CD化さ れた時さんざん騒いだ赤盤青盤の立場は? 「アンソロジー」出版記念イベントに叶姉妹を担ぎ出したり、有り難いアイテムをご提供いただけるのは大変結構だけど どうもいつもビートルズものの送り手はうさんくさい。 まぁとにかく「ジョン魂」である。 「Plastic Ono Band millennium Edition」である。 リミックス、リマスターは昨年の「Yellow Submarine Songtrack」で度肝を抜かれ、今回もそれ相当の覚悟を持って臨んだのだけれど、やはりまた違った意味で期待を裏切 らない仕上がり。 「Mother」冒頭の鐘の音からしてクリアに迫ってきて、何よりジョンの声がホントに近く感じられる。ずっと特別な位置にいるアルバムではあったのだけれど、これが20年前に死んだ人の30年近く前の声だという事実を忘れてしまうくらい。気が付くとステレオに向かい合ってじっとのめり込むことしばし。 改めて色んな意味でお手本のアルバムであります。 ■The High Llamas/Gideon Gave (ESCA-6278) 正直私はこのバンドの熱心なリスナーとは云えず、彼らが一体何枚の作品を出しているのかとか、一般的にどのアルバムが一番良いのかなんてことも知らないでいて、実際このアルバムはとある方から偶然安価で譲ってもらったもの。 「ブライアンウィルソン・フォロワー」だとか「90年代の 『SMiLE』」だとかそんな形容詞で語られるバンドだと云うことはなんとなく知っていたのだけれど、そんなバンドには必ず失望させられるに決まっているし、敢えて自分から大枚払う気にはなれないでおりやした。 「ソフトロックの名盤一山いくら」みたいな叩き売りに含まれていた本盤、 大した期待もせず、BWフォロワーなんてな先入観無しで耳にして、気が付い たらヘビーローテーション。良い唄と良い音が絶妙。大音量でヘッドフォン しての夜の散歩で何度疲れを癒されたことか。この優しい音の空間に包まれて、あんなに尖って見えた風景が、少しだけ歪んで穏やかなものに見えてくる。 今年出会った音楽で同じ位置に「スパーローズスクーター/ピアソラ」 (CSCD-03)、「羅針盤/らご」(WPC6-8394)がいる。どちらも遅ればせながら聴かせていただいたのだけれど、とにかくこの3枚、共に「良い唄」 「良い空気」を持つ、私を夢中にさせてくれた「夜のお楽しみ音楽」 でありました。 【総括】 そんなわけでこんな音楽ライフの1年でございました。 根本的には相も変わらず、しかしここには取り上げないながらも結構色々幅広く聴いた年だったと自負しております。 まぁとにかくとにかく、色々あったその時その時を思い出すと長くも感じられますが、 公私共々慌ただしく気が付いたら1年ぱぱっと過ぎてしまった気がいたします。 昨年この場で爆裂活動宣言させていただいたブランでございますが、御陰様でその通 りの充実した年となりました。重ねて御陰様で遁レコとしてもネタに困らない有り難い年となりました。現在コツコツやっとりますギューンよりリリースのブラン1stスタ ジオアルバムもきっと発売の2001年は更なる充実とうれし楽しの爆裂活動で皆様方のお楽しみに貢献できればと思っております。 これに懲りずに今後とも遁レコブランを 何卒ご贔屓に。(2000.12.29)
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