2000.3..28 up
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募集要項
→'98年私の5枚
→'97年私の5枚

 



サカテヨウスケ/フラ、ドードー舎
mail:ddz@zephyr.dti.ne.jp

 


■COCK SPARRER/SHOCK TROOPS(STEP CD 028)
Oi!パンク系のバンドとして有名なCOCK SPARRERの1stアルバム。シンガロングな佳作を元気いっぱいに唄い上げる、ちょっぴり爽やか体育会系バンドです。というと、なんだか軽いイメージになっちゃいますが、実際は結構面倒なモメゴトなんかに巻き込まれたりして大変だったようです。でも歌声や演奏からはそんな辛さは感じ取れないんだよなぁ。いい事なのかどうなのか、なんとも言えませんが。

全体的な音作りの面では、ギターの刻みが細かくていささか鬱陶しくもありますが、ロックンロールを基調としたノリの良さにはついつい引き込まれてしまいます。

ひょっとして、これを日本的に解釈(誤解含む)したものがビートパンクだったのか?なんて一瞬思ったりもしますが気にしない。

ここではOi!PUNK≒SKINSの相関関係について詳しくは触れません。僕もよく分かってないし。でも、なんだかんだでナショナリズムと結び付けられる機会が多いのは事実。そんな周囲からのイメージも手伝って確信犯的にやってた事なのかどうかは知りませんが、Oi!バンドの曲には自国賛歌や連帯を呼びかける曲がよく見られます。

有名どころではANGELIC UPSTARTSの「ENGLAND」などがあり、フットボール(サッカー)場でフーリガンたちが大合唱しつつ大暴れしていたという伝説もよく耳にしますね。Oi!に対する悪いイメージってのはこの辺から来てるんでしょうか。

これら自国賛歌を持つバンドは、マスコミなどから特に目の敵にされていたフシも見受けられます。でもそれは日本国の一般家庭のステレオから流れてくる曲そのものへの評価に影響を与えるようなものではありません。当然ですケド。

それにしてもあちらでOi!に付随して語られるナショナリズムと日本で言う右翼的なものとは、なんとなく違いますな。というより自国に対する思い入れの発露方法が根本的に違う気がします。あちらのバンドはイングランドいんぐらんどブリテンぶりてんと事あるごとに唄ってますが、日本のバンドではンな事めったにありませんね。
はっぴいえんどなんて日本にサヨナラしてるし。

それはさて、かくいうCOCK SPARRERの1stアルバムにも「ENGLAND BELONGSTO ME」という曲があります。歌詞カードがないので正確ではありませんが、ごくおおまかにサビの内容を記せば「汚い川の流れも何もかもひっくるめて、イングランドはいつまでも僕の胸の中に」みたいな事を唄ってます。
歌詞だけみるとせつないし、その上コード゛はマイナー調なのに、堂々胸を張って高らかに歌い上げるその様は真にもって清々しい限り。
これが日本の場合、なんだかじめじめしたり悲壮感溢れるお涙頂戴ブルース演歌になっちゃうのは何故なんでしょう。自国賛歌ってより愛国賛歌になっちゃうのは何故なんでしょう。
故郷や想い出を語るのに必ずしも感傷は必要無いし、叙景歌でも叙情歌じゃなくてもいいのに。国の事を唄うのに、なんでいちいち涙なんか流さなきゃイケナイのか、僕にはよく分からないんです。

COCK SPARRERを見るがいい。彼らはイギリス人としての誇りを持ち、かつ爽やかに唄うのだ。彼らなりの自国賛歌を。

「パンク版君が代」なんてやってる場合じゃないでしょ?自分の国なんだから、自分の手で自分なりの自国賛歌を生み出したいもんですな。なんてエラソウな事言ってみたりしてゴメン。

■V.A./Oi! THE ENGLAND (LORDS OF Oi!)(REDTK107)
ホントはこんな大きく取り上げちゃマズイ気のするOi!オムニバス。何がマズイって、明らかにアナログ落としっぽい音源が多いのはある程度仕方ないとしても、それ以前にもうCDの焼き方ソノモノがヤバイ具合です。どうプレイヤー環境を変えてみても、一度も聴けない曲もある始末。さすがは新宿ユニオンで新品3枚組980円の面目躍如といったところです。まぁ僕が手に入れたのがたまたまジャンク品だったのかもしれませんが。

でも収録音源は今のご時世入手困難なものもあったりして、なかなか馬鹿にしたものでもありません。BUSINESS「PRODUCT」のライブなんて、以前から出回ってる『LIVE AND LOUD』版よりギターの音もエゲツなかったりして、そのカッコ良さにチビリそうになります。チビるといえば、紙おむつのムーニー(パンパースだっけ?)にスケルトンタイプが出るという噂は結局デマだったのかしら?それはともかく、この手の非正規音源が多いので、いきなりこのオムニバスからOi!に入ると誤解を招く恐れも。

■G-ZET/G-ZET (OK-0004)
80年代初頭における日本インディーズ界屈指のギタリスト、TAM。STALINのギタリストとして映画『爆裂都市』にも出演していたので、その勇姿を拝んだ方も多いことでしょう。
また、後にあぶらだこ等を輩出することになるADKレコードの主催など、プロデュースにも力を入れ精力的に活動していましたが、ある時、突如失踪してしまいます。僕の中学時代には、893に追われて火山口に埋まってるとか、まことしやかに噂されていたものですが、真相を知る者は果たして居るのか居ないのか。とにかく音楽の世界から彼の姿が消えたことだけは、悲しいかな事実です。

突然復刻されたこのG-ZETのミニアルバムは、TAMがもっとも愛したバンドの貴重な記録です。名オムニバス『GREAT PUNK HITS』にも2曲収録されており、パンクバンドとしては余りにも几帳面な彼のギターには驚くばかり。Dr.もB.もガツガツと耳に小気味良く、ついつい2度3度リピートしてしまうこともしばしば。アアモッタイナイ。

■じゃがたら/君と踊り明かそう日の出を見るまで
じゃがたら唯一のライブ盤にして、全アルバム中屈指のテンションをほこる傑作。江戸アケミが入院する直前と、外出許可を得て行われた2本のライブを収録。
とにかくメンバー全員がスゴイってのはこんなに怖い事なのかと思わざるを得ません。入院を挟んだ2テイクが収録されてる「BIG DOOR」がこのアルバムの白眉なんですが、後の方の演奏ではB.のナベちゃんの演奏もアヤシくなっててドキドキします。

8月頃急に聴きたくなったものの、人に貸しっぱなしだったため改めて買い直してやろうと、あちこちのレコード屋を大捜索。探しても探しても見付からず身悶えしていたところ、秋になってあっさり再発。
でもコノ再発盤、所々「ピー」という修正音が入っちゃって無粋この上ないシロモノでした。こんな正面切った修正音聴くのANARCHYやフレデリック以来久々だったもので、なんとはなしに笑っちゃいましたが。考えてみるとSTALINの『FORNEVER』は上手いエフェクトで誤魔化してたもんだなぁと、余計なことに感心したりして。
とりあえずoka君に正規盤を借りて、今回は事無きを得ました。

そういえばアケミが急逝してもう10年になりますね。91年初頭に法政大学学館大ホールで行われた「アケミ追悼ライブ」でSUPER BADのVo.が「みんながアケミの事を忘れちまっても、俺達だけは毎年追悼ライブやろうな。場所は曼荼羅でもな!」と客に訴えていた事を、こないだ思い出した。

■HILLBILLY BOPS/PUBLIC MENU(KTCR-1472)
急逝と言えば、ヒルビリー・バップスのVo.宮城の飛び降り自殺も衝撃的でした。当時僕は高校生。バンドやってるって言ってもほとんどコピーばかりで、オリジナルは当時の友人と2人でデモテープを作っただけのOi!バンドのみ。「イイ曲が書けない」なんて悩みなどちっとも分かりませんでした。
今考えても曲が出来なくて自ら命を絶つなんてどうかと思いますが、まぁ色々事情があったんでしょう。彼が亡くなってこれも10年ほどになりますが、ここ2、3年で追悼の如く再発企画などが行われているヒルビリー。この『PUBLIC MENU』はオリジナルメンバーとしては最後にリリースされたミニ・アルバムです。

内容はと言いますと、やっぱり曲が出来なかったんでしょうか、5曲中4曲までがヨソの作曲家の手になるモノです。しかも「ウェディング・ベルを抱きしめて」に至っては、マンガ『八神くんの家庭の事情』のイメージアルバムに収録されてるバージョンの方がカッコいいという有様(その上、唄うは宮城でなくDr.のリュウ君)。

でも僕にとってアルバム最後の曲「SUMMER BOY」は、曲も歌詞も全てが永遠の想い出なんです。文学で言えばラディゲみたいなモンで、忘れた頃にちょっと触れてみると、記憶の底から高校の焼却炉や自転車置き場が甦ってきて、まぶたの裏をセピア色に焼いてくれるんです。なぜ今年になって突然聴き直したくなったのかは自分でも分かりません。でも、僕はいつまでもサマー・ボーイでありつづけたいなぁ、と思うのです。


●総括
今年はDOLL増刊「パンク天国2」のおかげもあって、しばらくご無沙汰してたOi!関係のものをよく聴きました。基本的にここ数年新しい音を探すようなことはしてないんですが、自宅のステレオ環境を少し整備したせいもあって、元から持ってるアナログを引っ張り出すことも多かったように思います。あるいは学生時代に手放してしまったモノを買い戻すとか。とにかく去年より音楽を聴いてたことは間違いないんで、ようやく遁レコ向きの「5枚」になりました。ジャンルはちょっと違いますが。
まぁ、一応お約束でゲームの方を挙げとくと、

■GUNPEI (ワンダースワン)
ただ線を繋げるだけというシンプルさなのに、異常な中毒性アリ。
プレステでも発売されたので、パズル好きならやってみるのもイイでしょう。
でも携帯機を覗き込んでチマチマやる方が合ってるかも。

■REVIVE (ドリームキャスト)
脱出型アドベンチャー。サターン「慟哭、そして…」のシステムを受け継いだハードな一本。
ただしアニメ絵が苦手な向きにはオススメできません。

■クロス探偵物語 (プレイステーション)
昨年サターン版をご紹介した作品がプレステに移植されました。内容はほとんど一緒。という事は、今回も自信をもってオススメできます。ただ、今回から付け加えられた主人公たる黒須剣の声が、どう聴いても矢尾一樹なのには納得いきません。主人公は無声でイイんスよ、社長。やっぱりサターン最高!

■METAL SLUG / ファースト・ミッション (ネオジオ・ポケット・カラー)
あの硬派アクション・シューティングが携帯機で!視認性の高いカラー液晶のおかげで、意外なほど遊べます。でもコレ、電車の中でムキになってると恥ずかしいんだよなぁ。

■ADAM THE DOUBLE FACTOR (WIN 98)
アドベンチャーの名作「EVE THE BURST ERROR」の正当な続編。マルチサイトシステムも健在です。僕はPCのゲームってやる気がしないんですが、ればかりは特別。

といった具合です。音楽と違ってこっちは1999年発売のものばかり。
…なんて選び方をしたら、サターン様が一本も…。本体は更にもう一台買ったんですが…。
2000年に期待しましょう。(99.12.21)


 

(C)TONSEI RECORDS