志村けんのおならへのこだわり
2020年4月5日(日)に放送された「Mr.サンデー」(フジテレビ)内での志村けん追悼特集は、コントで使うおならの音へのこだわりのエピソードから始まりました。
アナウンサー「志村さんが見つけ出し、コントで使ったレコードがこちらです。このレコードに収められている音、そこには志村さんがコントにかけた並々ならぬ思いが込められていました。」
ナレーション「そのレコードは『ワンダープーランド』というタイトルだった。LP盤に針を落とすと・・・。聞こえてきたのはおならの音。しかも本物。この音源を愛したのが・・・志村けん、その人だった。」
志村のおならの音へのこだわりは、自伝的エッセイ「変なおじさん」(初版単行本:日経BP社)で、「やっぱり屁の音は本物に限る」のタイトルで触れられています。
これは私も大好きな話で、かつて深堀りをして文章を書いたことがありました。
「屁音楽」 http://www.tonreco.com/orez/3.htm
この中でも、音響デザイナーの和田則彦の作品「ワンダープーランド」(東芝EMI/1978年)に触れましたが、私はこのアルバムと志村との接点を得ることはできませんでした。
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確かに著書「変なおじさん」で、志村はコントで使うおならの音にこだわりを持ち、屁の音を集めたレコードを使っていたことを明かしていますが、この音源に関して
「どこかの大学教授が集めた一番長い屁だとか一番高い音の屁だとか様々な屁のバリエーションが丸々一枚に詰まっている」
「この教授は自分の生徒を家に呼び、様々な食べ物を与えては『屁を出せ』と迫ったそうだ。あきれた奥さんが離婚を決意したところ『別れてもいいがその前に屁をしていけ』と言った」
というような説明をしています。
ん? おや??
志村がコントに使ったおならの音が「ワンダープーランド」収録のものであったとするよりどころは一体どこにあるのでしょう。
興味津々。教えてフジテレビさん。
【追記】2020.4.23.
2020年4月20日に放送された「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)は時節柄総集編でありました。
その中で2014年5月5日初出の「オナラで稼ぎすぎるシニア」として紹介された自称「ファート(おなら)サウンド・アートクリエイター」松下誠司氏。
「テレビ・音楽など様々な媒体にオナラ音源を提供する『オナラ界の偉人』」とされる彼は、自身の活動を
「ゲームに使ったり、スマホのアプリに使ったり、ドリフの音ですとか・・・そういう人たちに(自身のオナラの音源を)売ってます」
と言います。
ん!?
『ドリフの音ですとか・・・』!?
これはビンゴか!?
松下氏は肛門から空気を入れ肛門から出す肛門呼吸でオナラを様々な音色で自由自在に操り、ラスベガスでディナーショーを開催したこともあるといい、15回公演で4億5000万円のギャラを得たと言います。
ウェブを検索すると松下氏のオナラ販売音源サイトやnoteでのブログを見つけることができます。
「8時だよ全員集合、バカ殿、志村けんさんの注文で私の音が使われました。本物志向の素晴らしい人でした。オナラの音に凄いこだわりがあって電話で話したことが有りました。」(志村さんの愛した音)
という記述もあり、ドリフ、志村のコントの屁の音は松下誠司氏のものであることがわかります。
さらにブログを読み進めて行くと、16歳当時の松下氏の曲屁師としての才能を見出し、世に出したのは、なんとなんと他ならぬ「ワンダープーランド」(東芝EMI/1978年)の和田則彦で、演者として他のオナラ作品の録音にも参加していることがわかります。(オナラの音を収集)
一気に点が線として繋がりました。
志村けんがコントで使った本物の屁の音は「ワンダープーランド」の録音にも参加した曲屁師、松下誠司氏に発注した作品でありました。
問題解決。
これで心おきなく屁がこけます。