ジョージ・ハリスン/映画「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」雑感
ジョージ・ハリスンのドキュメンタリー映画「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」を先日の日曜に観て来ました。
DVDで買って観ようと思ってたのだけれど、大画面、大音量、高音質で体感しようと「角川シネマ有楽町」へ。
途中休憩挟んでの3時間半越え。しかしワクワクしたりウルウルしたりで全然長さを感じませんでした。見どころ、驚きどころ満載で書き出したらキリがないのです。
ビートルズ解散直後のソロ活動の快進撃はホントキラキラしてて熱くなりました。そんな時代のジョージに関して、一点を見つめ大袈裟なジェスチャーでコメントするフィル・スペクターも見どころ(いつの間に出所してたんですかね?)。
不評とされてジョージのライブ恐怖症の原因となったとされる74年のツアー映像も結構たっぷり見れます。鉄壁のバックにシャウトするジョージ、いやいや実にかっこいいじゃありませんか。演奏も実にタイトで良い。
さらっと間に挟み込まれて昇天しそうになったのが、74年だったかビートルズ解散のための法的手続きの書類にサインをする、ジョージとポールが同席する映像。
写真は見たことがあったのですが、映像が残っていたとは知らなんだ。あれはびっくりしたなぁ。
あと、冒頭からコメントで出てくるクラウス・フォアマンって人も不思議な人だよな。
ビートルズとはデビュー前のハンブルグ遠征時代からのなじみだったのね。で、ビートルズと知り合いになったのは、当時の彼女で写真家のアストリッド・キルヒヘルを通じてだったと。
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ここで「え?」と思いました。
アストリッドって初期ビートルズメンバーで若くしてなくなったスチュアート・サトクリフの恋人じゃなかったっけ?
ほー。スチュと付き合う前の彼氏がクラウスだったのですな。いやー知らなんだ。
クラウス・フォアマンと言えば、「リボルバー」のジャケ書いたのも彼だし、ジョンのソロや、ジョージのバックでベース弾いてたのも彼だ。
「アンソロジー」のジャケのコラージュも彼の仕事なんだよな。
多才なんだけど決してグイグイ前に出てこない奥ゆかしさと言おうか。。
この映画の「バングラデシュ・コンサート」のシーンでジョージが「幽霊みたいだけど、頼りになるやつ」みたいな紹介をしてたのがなんかよかった。
クラプトンのコメントも実に深い。
ジョージの親友で、ジョージの奥さん寝取って、でもずっと親友でって、それってなんか胡散臭いよなとずっと思ってたけど、この映画観て、その訳が理解出来た気がしました。それがジョージなんですわ。「All Things Must Pass」なんですわな。
テリー・ギリアム、エリック・アイドルも登場でモンティ・パイソン絡みのエピソードもたくさんでうれしい。
何故か70年代半ばの音楽活動や、第一線への復帰とも言える87年の「クラウド・ナイン」辺りのことに全く触れられず、いきなりトラベリング・ウィルベリーズに飛んでしまうのは少し残念だったけど、紙数に限りが参りまして・・・てな事情なんでしょうかね。
「クラウド・ナイン」での復帰のエピソードは、後半のクライマックスのひとつとしても取り上げて欲しかったな。その後、クラプトンのサポートでの日本公演もあったし。
この時期、ジョージの「僕の復帰はパロディみたいなもの」なんてな発言をしてる映像が出て来て、ここで「When We Was Fab」のプロモを挟んだら痛快だったろうな、なんてことを思ってみたり。
ええい、キリがない。
で、結局ジョージってどんな人だったんだろうって、不思議な鑑後感なんだけれど、とてつもなく彼が愛おしく思えるのです。
エンディング近く、リンゴがジョージと最後に交わした言葉には、さすがにどばーっと涙があふれてしまいました。
あと、とにかく音楽の迫力にびっくりでした。いやーあれはすごい。
5.1サラウンドの迫力ってやつなんでしょうね。
「レコード・コレクターズ」でも書いてあったけど「サボイ・トラッフル」の強力さといったらなかったです。ありゃ別の曲だよ。