アダチ龍光さんと「紐切り」
山陰中央新報 2011年1月27日付の読者文芸欄「レッツ連歌」(第401回)で、句の選と評を行う下房桃菴氏がアダチ龍光さんのネタ「紐切り」に関して触れていらしゃいます。
ちなみにこの日のお題は「もう一度見せて仕掛けを見破られ」。
下房桃菴氏は、評の冒頭で
往年の手品師アダチ龍光さんが、私は大好きでした。眼鏡を掛けてちょび髭を生やし、今のマギー司郎さんそっくりなのですが、そんなにニコニコしていない。いつも仏頂面で、口数はいたって少ない。
「紐切り」がお得意でした。手にした紐をくるくると巻いて、三か所ほど輪っかを作る。その輪っかごとに鋏を入れる。紐はバラバラになったように見えるのですが、両端を引っぱると繋がっている。二回目―、輪っかの数が増えて、鋏も四、五か所に入れる。やっぱり紐は繋がっている。三回目、もう騙されまいと、固唾をのんで見ておりますと―、今度は輪っかは作らないで、紐のど真ん中を鋏でチョキン。二本になった紐を束ねて、その真ん中をチョキン。四本を束ねてチョキン。さて、八本が十六本になったと思われるころ、全部まとめて両手でくるむように持って、軽く揺すります。で、パッと手を開くと、なんと…、紐がパラパラパラ…。
たいがい、それがオチでしたね。
と触れられています。
「レッツ連歌」の連載は1994年1月から続くもので、下房桃菴氏は島根大学名誉教授にして、地元NHK松江で「真付句道場」に出演。指南番も務めていらっしゃる。
感謝感激!
(画像の掲載紙は下房桃菴氏よりお送りいただきました。ありがとうございます。2011.2.27.掲載)
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