●Beatles In Japan
「月刊PLAYBOY」6月号「The Beatles In Japan」と題した来日40周年記念特集が面白い。
「買おう、買おう」と思いつつ、ついつい忘れてしまっていたところ、昨日たまたま寄った書店で吸い寄せられて、表紙を眺める。特に「これは買い!」と私をレジに向かわせたのは、来日時の1966年6月29日の記者会見の完全和訳。
記者会見の映像は何度か見ていたものの、記者とビートルズのやりとりが何だかぎこちなく、ずっと違和感を持っていたのだけれど、それが完全解消されて楽しくて仕方がない。
名ブート「JAPAN 1966: Definitive The Beatles 1966 Collection」 [Masterdisc MDCD010]の記者会見の完全収録音声を聴きながら、約40分の記者会見の模様の全貌を理解した。
ここでの通訳は、来日の立て役者である当時の共同企画エージェンシー社長の永島達司。
会場のとてつもない緊張感に圧倒されているのか、単にそれほど英語が堪能ではないのか、マイクトラブルであたふたしていたのか、ジョン、ポール中心にコメントするビートルズの発言の半分も伝わっていないのである。
例えば冒頭の記者からの質問
「あなた方は日本をどのような国と認識し、かつ何を期待していますか?」
に永島は意味不明の英訳をしていて、ポールが
「日本語をどうやって理解してるかってこと??」
と聞き返している。
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何度かのやりとりの後、何とか真意が伝わり、
ポール「日本のことは本で読んだ程度、映画で見た程度でしか知らないよ。」
ジョン「でも、それを全部信じているわけじゃない。」
ポール「うん。でもいい場所って感じはしたよ。素晴らしいよ。」
と日本に対して好意的に答えているのだけれど、「JAPAN 1966: Definitive The Beatles 1966 Collection」 [Masterdisc MDCD010]を聞くと永島は
「結局、本か何かで読んだくらいのこときり日本のことは知らない、というんですかね。それでその本も大した読んでないらしい。ですから、あまり予備知識なくして我が国に来たようでございます。」
と翻訳し、ニュアンスが全く別になっている。
そんなこんながマイクトラブルを挟みながらずっと続き、映像で4人がずーっと無愛想だった理由がよ~くわかって楽しい。
思わずこの記者会見映像含む、日本公演のブートDVDを発注。
竹内労が仕掛けた名著「話の特集・ビートルズレポート」を引っぱり出す。
やはりこのピリピリした感じはどうかしている。
この日本公演後、フィリピン公演で例のイメルダの怒りを買う事件があり、この年ビートルズはライブ公演をやめにするのである。