映画『MR.JIMMY ミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男』雑感

映画『MR.JIMMY ミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男』。
(以下、ネタバレあり)
いやぁ。すごかった。
衣装、ギター、アンプ、音、動きなどなど徹底的にジミー・ペイジの再現?憑依?にこだわるジミー桜井の様に、(もちろん褒め言葉として)「アホだなぁ」と初めはニヤニヤワクワクしながら観ていました。
出てくる話も73年のマジソンスクエアガーデンだ、75年のアールズコートだ、「Listen to This Eddie」だ、72年来日公演だなんだと楽しくて仕方がない。
で、あのペイジそのもののギターの音が爆音で迫ってくる。
その音がまたかっこいいったらありゃしない。
さらに映画「The Song Remains the Same」からZEPのライブ映像も使用されているのもすごい。
この手の音楽ドキュメンタリーって、権利関係で主役のバンドの音楽が一切使われていないものが少なくなくて、この映画もそうかなと思っていたのだけれど、本家まで頻繁に流れるんだからびっくり。

観ているこちらの様子が変わったのが、桜井自身のバンドのライブに、ペイジ本人が客としてやってくるシーン。その人自身になりたい、徹底的に再現したいと思っている人の前で、その人を演じるとはどんな気分だろうか。
ペイジも真剣に桜井の演奏に向き合い、感激と敬意を示す。
これには、背筋ぞくぞくで、思わず感涙。
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のちに渡米しZEPトリビュートバンドに加入したり、自身のバンドを組んだりする。やはりロバート・プラントになりきりのシンガーもいるわけだ。そして、なかなかにすごいバンドになっていったりする。
桜井は、ペイジの再現、憑依の先にZEP自体の再現、憑依を突き詰め始める。
しかし、桜井の極細部にこだわる完璧主義ぶりや、ビジネスにはほぼ背を向けて、変化と進化を求める姿勢にメンバーとの衝突や離脱が相次ぐ。
一方で、リハーサル中にメンバーに「あまり完璧を意識しすぎないで。ライブでマジックが起こらないから」と告げたりするから、まぁそりゃ混乱するだろう。
でも気がつけば、この研究と努力と執着の再来の姿に修行僧を見るような感覚になってくる。
軌道に乗ったかと思った自身のバンドも、桜井の独善さにメンバーとマネージャーの理解を得られず解散。
何度目かの喪失感の中、バンドメンバーのオーディションの話が舞い込む。相手はなんとジェイソン・ボーナム。
彼は、ドラムを叩いた2007年のZEPリユニオンのリハーサル時「7◯年のツアーではこういうアレンジで演奏していた」とメンバーにアドバイスしていたとも伝え聞く、ZEPマニアでもある。
ジェイソンと桜井の邂逅。
これには完全に涙腺崩壊でありました。
2時間弱の長尺ドキュメント。
全く飽きずに夢中になりました。
おススメです!
そのあとは当然西新宿へ。
いやぁ。面白かった。