映画「シド・バレット 独りぼっちの狂気」雑感
映画「シド・バレット 独りぼっちの狂気」。
しかし、なんでいちいちそういう邦題つけるかね。
原題「Have You Got It Yet? The Story of Syd Barrett and Pink Floyd」。
予約して出掛けたのが小さめの劇場だったこともありましたが、まさかの満席でびっくり。
『狂気』『天才』だなんだとか、大袈裟な脚色は控えめに、フロイドメンバーや当時のスタッフ、シドの友人や恋人などの証言、そして貴重な写真や映像で、シドの生涯が描かれる。
やはりフロイド初期のカラフルな音像を爆音で浴びるのはたまらない。そして自信に溢れたシドの堂々とした佇まいにはどうしたってしびれます。
デビューからシングルヒットを受け、1stをリリースしたのちのシドの急激な失速?混乱?ぶりはやはり切ない。
ソロ2作やStarsなどのフロイド以降の音楽活動のことも改めて整理して理解できたし、絵画もたくさん見れた。しかし絵画の多くは上書きされたり、自ら破棄してしまったというからもったいない。
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あの有名な「Wish You Were Here」(「Shine On You Crazy Diamond」収録)のレコーディング中にシドがスタジオに突然現れ、『なにか手伝えることはないか?」と言ったというエピソードも、改めて詳細に語られる。そしてその時の写真が残されていたとは勉強不足で知りませんでした。
ああ、びっくらこいた。
ドラッグが悪いのか、取り巻きたちが悪かったのか、シドを見限ったメンバーが悪いのか、そもそもシドに問題があったのか…答えは多分ないのだと思う。
シドの人生が幸せだったか否かなど誰も決められないし、知ったこっちゃない。
シドの生き様と伝説からほどよい距離感を得た良い映画でした。
初期フロイドとシドのソロ作から選曲の2枚組アナログのサントラをおみやげに買って帰りました。
これ、5000円切るって安いんでないの?
え?…そういう金銭感覚がおかしくなってる?
【追記訂正】
訂正します。
アルバム『An Introduction to Syd Barrett』(邦題:幻夢)は本映画のサントラではなく、既発のベスト盤で、今回の公開に合わせて日本語帯付き仕様で、LPが限定発売となったとのことでした。なんだかこのアートワークに既視感があったんだよな…失礼しました。