アナログレコード執着日記 その5
SNSに書き殴っていたレコードとオーディオに関する雑文をまとめます。
【2023年3月1日】
1982年にリリースされた中森明菜のミニアルバム「Seventeen」。
1st/2ndシングル「スローモーション」「少女A」を各面1曲目に置き、初期名曲「あなたのポートレート」「キャンセル」と合わせた4曲入り。まず美麗なピクチャー・ディスクにグッとくるが、おー、なんと! 針を落とせば、各面冒頭、曲間、B面ラストで明菜がしゃべる。
嗚呼…しかし。これに『友近のネタか?』という思いがよぎった私の心は、なんと汚れてしまったのでしょう….。
名盤。
【2023年3月3日】
薬師丸ひろ子のシングル「探偵物語/すこしだけやさしく」(1983年)。
言わずもがな、作は大滝詠一/松本隆コンビ。演奏は紛れもないロンバケ〜イーチタイム期のナイアガラサウンド。…嗚呼至極。
しかし。
それにしても「すこしだけやさしく」側のジャケのあまりにタイトルとかけ離れた薬師丸の、このえも言われぬ表情たるや。
さて。
思えば、この2曲を収録した映画「探偵物語」のサントラが、私が初めて買ったLPレコードでした。当時小学生でサントラの意味も知らず、さぞやたくさんの薬師丸の歌が聞けるものと思って大金を使い、針を落とした時の失望たるやありませんでした。
「…え。700円のシングル買えばよかったのか」と。
しかし。
己のおかした過ちを受け入れることはできず、ただただ繰り返し繰り返し聴いたものです。
しかし。
振り返れば、収録の劇伴を手掛けたのは加藤和彦。
はい。
そうです。
私の人生においては、何ひとつ間違ってはいなかったのでありました。
【2023年3月3日】
中森明菜「メモワール」(1983年)。
昨日触れた、小学生時代に「サントラ」の意味を知らず初めて買ったLPレコード、映画「探偵物語」。そこに薬師丸ひろこの曲が2曲しか入っていなかったという失敗をもう繰り返さぬぞと確認に確認を重ねた人生2枚目に購入のアルバム。
デビュー作「スローモーション」から当時の最新作で6作目の「禁句」までの全シングルを収録し、加えてそれまでリリースされた4枚のアルバムから選曲されたベストアルバム。
これはホントにホントによく聴いたものです。
「禁句」の作曲はご存知、細野晴臣。
もちろん当時はそんなことはつゆ知らず、エレクトポップに笑顔なしの流し目交え、サビで腕でバッテンを描く振り付けで堂々と歌い上げるお姉さんにすっかり夢中になってしまったのです。
「スローモーション」からこの「禁句」までのシングルは、「セカンド・ラブ」「トワイライト」とあわせ来生えつこ/たかおコンビによるバラード調の楽曲と、「少女A」「1/2の神話」とロック寄りの曲が交互にリリースされました。
今はなんだかとても来生楽曲が実にぐっと響いてくるのであります。
本アルバムとの出会いからなんと40年。
改めてそんな緩急がたまりません。
【2023年3月4日】
あれ。
言ったそばからまた薬師丸映画のサントラ買ってしまった。。
【2023年3月4日】
「ザ・パワー・ステーション」(1985年)。
デュラン・デュランのジョンとアンディの課外活動として聴いた中学生の頃。
それまで耳にしことのない斬新なロックな音にびっくらこいたものでした。
今聴いても独特でシビレます。
しかし、これってなぜなんでしょう。
ドラムの強調とこのスタジオ独特の空気感と立体感ゆえ?
【2023年3月5日】
レコード目当てのハードオフめぐり。
本日は新座店へ。
コルトレーン1枚とジャンク品でメリー・ホプキンのシングルを。
そろそろなにか1冊、ジャズのガイド本買わなきゃだわ。ほんと何も知らないで安い盤を闇雲に買ってます。
楽しすぎるからいいのだけれど。。
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【2023年3月14日】
あべこべだらけで、なんだかどうにも気が立ったり、滅入ったりするが、とりあえずこのシングル3枚で気を鎮めて今日のところはやり過ごす。
#薬師丸ひろ子
【2023年3月18日】
朝いちで定例の用事を済まし、次の予定まで30分空きでタワレコ池袋のアナログをのぞきに。
Television「Marquee Moon」の2012年再発US180g盤を。これはうれしい。
滝汗かいたのち日高屋でタンパク補給。最近卵焼きを贔屓。
今日のはニラ玉。
【2023年3月19日】
レコード目当てのハードオフめぐり。
本日は大泉学園店で投げ売り価格だったジョージのソロを。
ジョージのソロに駄作なしなんだから。
ぷんぷん!
#GeorgeHarrison
【2023年3月19日】
ジョージ ハリスン「33 1/3」(1967年)。
久しぶりに聴きましたが、改めましてこれは良いアルバム。
ずっとリピート中。
ガツンとくるロック曲あり、AOR(って言うの?)的な心地よいサウンドあり、大好きな「Crackerbox Palace」あり。
もちろんジョージのスライド・ギターも要所要所で炸裂。
この時期は今ひとつヒットに恵まれず、年も少々重ねた不遇期のイメージがありましたが、いやいやこの時まだジョージは、タイトルにある通り33歳。
どんだけ多作で濃い人生なのだ。
【2023年3月19日】
少々夜遅くなって帰宅すると、宅配ボックスに荷物あり。
ん。あれ? なんか頼んだっけ?
あ、そうか….。いざ開封。…ニヤり。
でもしかし。
もう夜中に酔ってネットでレコード探すの禁止だってば!
でもしかし。
至福の音…。
他のアルバムもアナログで聴いたら、どんなんだろうか。
#Smiths
【2023年3月23日】
出張から帰宅。疲労困憊。
ヤフオクで落札した中森明菜1st『プロローグ〈序幕〉』着荷。
ジャケも盤も『豪華歌詞カード』も大変状態が良く余は満足。
世の中はあべこべだが。
へー。
来生えつこ/たかお楽曲が2曲だったのというのは意外。
これらが1stシングル「スローモーション」以前に録音され、デビュー曲選択に何だかんだあったというのは、それだけ明菜に託された期待が大きかった証なのでしょうな。
シングル曲決定前にアルバム先行で録音されたという話を信用しても、しなくてもいいのですが、すごい集中力を感じるアルバムです。
僕はまだ小学生でした。
【2023年3月24日】
ただいまー。
・・・ん? なんか荷物が届いてるぞ。
思い当たるふしはなし。
・
・
・
あーー!
だ、だから夜中に酔ってレコード探しちゃダメだって肝に銘じたじゃないかー!
僕のバカー!バカー!
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・
嗚呼。いい音。うっとり。
#Smiths #肉喰うな
【2023年3月25日】
取り寄せをお願いしていたCorneliusの12インチシングルを引き取りにユニオンへ。ついでに新着コーナーのぞいたら、Plastic Ono Bandのトロントがなんと280円で拾えた。
【2023年3月25日】
Cornelius「変わる消える」の12inchシングル。2023年2月リリース作。
昨年mei eharaのvoでリリースされた本曲を、待ってましたの小山田自ら歌う。作詞は坂本慎太郎。
「続きを」とともに、Corneliusが次に、前に進む決意(そんなんはなんだか彼には似合わないけど)のようで心に響く。
この人の音と声の記名性の中毒からはまだ抜けられそうにない。
B面にはmei eharaバージョンと同作のJohn Carroll Kirbyによるリミックスが収録。これも先日細野さんのラジオに小山田がゲスト出演した際に聴いて気に入ってしまった。
そして実に豊かで良い音。
【2023年3月26日】
母さん。
家に帰ると身に覚えのない大きな荷物が届いていました。
また夜中に酩酊してレコードを探してしまったようです。
嗚呼、いけない。
どうしてこんなカラダになってしまったのか。
この沼からは、どうしても抜けられなくなってしまったみたいです。
母さん。
僕はまだまだこんなんですが、今日もなんとか生きています。
そちらはいかがですか。
中を開くと透明なレコード盤がとてもきれいです。
#StoneRoses
【2023年3月29日】
この間の休みだったか、毎度のごとくレコードを聴いてスピーカーに向き合い、ふと『背中からも音を浴びたいよな』とムラっ。
以降、酔いに任せて妄想は止まらず、『せまい部屋にケーブルはわすのはヤだから、アンプからbluetoothで発信させて、BT対応スピーカーを買おう』などと気がつけばアマゾンに発注。
翌日、商品が届き配線。アンプからBT発信、追加スピーカーでの受信は音声遅延があまりに酷く、実用性なしでがっかり。安物買い故なのだろうか。
ひとまず、冷静に長いケーブルを購入で、目的は達成。
次は適切な高さへの背面スピーカーの設置のためのスタンドの導入か。
さて。
母さん。
今、一体僕は何を目指し、何をしているのでしょうか。
ただのストレスなのでしょうか。
【2023年4月2日】
先日買った背面スピーカーの設置に関して数日熟考に熟考。
何となくやるべきことはまとまったので、昨日の夕方からごそごそと動き出し、ダイソーとホームセンターをハシゴ。店員さんにネジの太さの単位のことや選び方を何度も聞いたりして勉強になった。
そんなわけで、スピーカー台への本体の固定、床にモールを這わせてケーブルの配線が完了。
オレ、何時間もかけて一体何してんだろう…これどう考えてもストレスだよな…。
いや、違う。飽くなきレコード鑑賞環境向上への過程なのだ。
沼はまだまだ深いのだろうか…。
【2023年4月4日】
悪しきに己の心を流されるなかれ。
【2023年4月13日】
スキマ時間で出張ディグ。
博多のジャズ専門店「キャットフィッシュレコード」とオールジャンルで居心地良しの「ボーダーラインレコーズ」。
広島はバーゲン品の充実も楽しい「グルーヴィン レコードステーション」。
【2023年4月19日】
出張ディグ。
大阪・梅田「バナナレコード」。
空き時間は30分となく、とにかく無我夢中でガーっと掘ってアソシエイションとジャンクコーナーでコルトレーンを。
【2023年4月20日】
先日中古で安く手に入れた1969年のアソシエイション、セルフタイトル作。1968年作「Birthday」までは追いかけてましたが、これまた傑作。これまでジャケの記憶すらなくノーマークでした。ソフトロック奥の細道もまだまだ深い。
【2023年4月26日】
Happy Mondays「Kinky Groovy Afro」 (Factory FAC 302)。
まさか1990年リリースの12inchシングルを2023年に手に入れて、自部屋真っ暗にして、ラリって(酒でよ?)踊り狂うとは思わなんだ。
レイブ・オン。
いやはや、レッツ・オンド・アゲンならぬ、レッツ・レイヴ・オナゲン。
1990年当時。
雑誌「ロッキング・オン」によれば、インスパ、ハピマン、ローゼズとマンチェスター・ムーブメントなるものが起こっているとの報道。
当時東北在住高校生だった私に輸入盤を気軽に購入するすべはなく、NHK-FMの渋谷陽一の番組をエアチェックして、繰り返し繰り返し聴いたものでありました。「Kinky Afro」はその中の1曲。
改めてすごいな、この曲の中毒性ったら。
れっつ・レイヴ・オン。
レイブでゴー。
【2023年5月12日】
色々何かとあべこべだったり、うまくいかない。努めて毅然と冷静に目の前のことに相対し、並行して先に向けた仕込みをしてるつもりなの。でもざわつくねぇ。こうして明け方目覚めて眠れなくなって酒をあおる。
何してんだろ。
でも。
努めて今日を無駄にしないようにしよう。
【2023年5月27日】
ついにこういう道にも足を踏み入れてしまった…。
そして展示資料もすごい!
『良い機材でレコードが聴けるのか』と申し込んでいた練馬区が定期的に開催しているという「五味康祐のオーディオで聴くレコードコンサート」へ。
今回はなんとオープンリールの会。
テープ?!
しかしこれが驚いた。すごい音。
もちろん機材も、録音も良いのだろうけど、五味氏が「マスターテープそのもの」と評したTOA盤の音の豊かさ立体感たるや。
今回聴いた音源の録音から40年以上が経ち機材も録音も技術革新しているはず。
『一体いい音とはなんなのか?!』
という疑問がまたさっぱりわからなくなりました。元ティアックの唐金利生氏の解説もわかりやすく楽しかった。
嗚呼、ようござんした。
ビートルズにもオープンリールがあるんですよね。いつか聴いてみたいなぁ。
#五味康祐 #オーディオ
【2023年6月24日】
先月に引き続き「五味康祐のオーディオで聴くレコードコンサート」に参加。
今回のテーマは『水の音楽』。
レコードの録音年は50年代から60年代半ばと幅広く、音質に随分と差があって面白かった。
同じ音源を後でサブスクでハイレゾで聴き返すのも楽しい。
イベント前は、T井さんに教えてもらって大好きになった『四季』のニラそばで腹ごしらえ。
しかし。このバカでかいタンノイのスピーカーで一度、ロックを聴かせてもらえないものか…。
来月はSPレコードを聴く手回し蓄音機コンサートとな。
行ってみよ。
あたしゃ一体どこに向かうのか。
【2023年7月15日】
久しぶりに長い時間眠り続けることができたようで、少々気分良し。
久しぶりにレコードを引っ張り出してプレイヤーにのせて針を落として聴きたいと思えました。
『やまない雨はない』
とだけ、ただただ信じてきたけれど、でも、どうせまた、いつか雨は再び降るでしょう。
でも、もし次があっても、もうちょっとだけ、少しは上手に傘をさせるようになっているものと信じます。
【2023年7月31日】
まだもうしばらくホイホイとレコードを買える立場ではないのだが、この間の休みにユニオンの中古盤新着棚で出会ってしまったバッファロー「Last Time Around」(Atlantic/ P-8055A)国内盤。
ジャケ水濡れヨレものだが盤面問題なし。割引クーポンもあったので我慢できず…。
バンドはすでに解散状態の寄せ集め作だなんて信じられない大好きなアルバム。ここにもうCS&NもCSN&Yもニール・ヤングのソロもポコも全部その種が詰まっている。
#BuffaloSpringfield