映画「CONCERT for GEORGE」雑感
ジョージ・ハリスンの一周忌となる2002年にエリック・クラプトンが中心となっての呼びかけで行われた追悼イベントの映像記録「CONCERT for GEORGE」が、国内では初めての劇場公開ということで馳せ参じました。
今年はジョージ・ハリスン生誕80周年でもあるそうな。
そうか、ジョージが亡くなってもう22年も経つのか…。
イベントの翌年にはソフト化されているので、お馴染みの映像ではあるのだけれど、実のところ、私は通しで観るのは、今回がお初でありました。お恥ずかしい限り。
いやぁ、素晴らしい演奏と、イベントの記録です。
基本はクラプトンと彼のバンドを柱に、ジェフ・リンがしっかり脇を固める布陣。
ビリー・プレストンの活躍も目立つ。
鮮明な映像と大迫力の音に、ついつい最近開催されたイベントと勘違いしてしまうが、もうここから20年以上経っているのです。
ビリー、ラヴィ・シャンカール、トム・ペティなど鬼籍に入った人もいて感慨深い。
前半ぐっと来たのが、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズによる粘っこい「タックスマン」から、ジェフ・リンを呼び込んでのトラヴェリング・ウィルベリーズ「ハンドル・ウィズ・ケア」。
ディランのパートはトムが、ロイ・ロービソンのパートは朗々とジェフが歌う。
リンゴがハンドマイクでご機嫌に2曲歌い、続いて登場するのはモンティ・パイソン。
ジョン・クリーズは不参加で、ニール・イネス(これまた故人)がサポートする。
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披露されるのは「シット・オン・マイ・フェイス」と「ランバージャック・ソング」。
ジョージ追悼でステージに並んだじいさんたちがケツを出す…最高。
木こりの歌では、ちゃんとキャロル・クリーヴランドがマイケル・ペリンの相手役をする芸の細かさ。ピアノを弾くのはイネス。
ゲスト参加のトム・ハンクスが遠目にクリーズに見えなくもなかった。
中盤は、個人的弱点曲のクラプトンによる「ビウェア・オブ・ダークネス」とビリー・プレストンが加わっての「イズント・イット・ア・ピティ」に涙腺完全崩壊。
そして、リンゴの招きでついにポールが登場。
「フォー・ユー・ブルー」から来るとは意外でした。
そしてウクレレ弾き語りから入る「サムシング」。
直近のツアーでも歌い続けられているこのアレンジは、この時作ったものなの?
流石に20数年前のポールは声がすごく出ている。
ラヴィ・シャンカールコーナーを挟んで、ビリーがメインの「マイ・スウィート・ロード」、ポールがメインの「オール・シングス・マスト・パス」、そしてクラプトンの歌にポールが絡み、バックでリンゴがドラムを叩く「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィーブス」。
ベースにはいつも通り幽霊みたいにクラウス・フォアマン(存命よ!)もいる。
「ホワイル・マイ・ギター 〜」でのクラプトンの渾身のギターソロには、込み上げるものを抑えられませんでした。すごい演奏でした。
悲しみは完全に癒えていなかったであろうこのイベントにかけるクラプトンの熱い心を奥に秘め、努めて明るく楽しくジョージの作った曲を振り返ろうという姿勢が素晴らしかった。
主役のクラプトンを立てたのか、それとも何かあったのか、ポールの扱いがなんだか地味だったり、少し居心地悪そうにしてるのが少し不思議だった。
2002年のポールといえば、バックを現在まで続くツアーメンバーに一新し、「Back In The U.S.ツアー 」や日本は「driving japanツアー」とバリバリライブをしていただけに…。
このイベントでのリンゴの能天気な活躍とは対照的に思えました。
まぁ、色々あるのでしょう。
約2時間。ずっと夢中でした。
いやぁ、元気出た。
心地よい余韻にひたりながら久しぶりに長い文章が書けました。