幻のラーメン店 会津若松「古川農園」のこと
「会津若松駅から車で猪苗代方面に少し向かったところに、1日3時間しか営業しないうまいラーメン屋がある。」
5〜6年前だったか、その存在を知った時は衝撃だった。
その名は「古川農園」。
プレハプの建物は四方シャッターで閉ざされ、看板には手書きで
『やさい くだもの』
とだけある。
これは何かの呪文か、合言葉か。
この秘密を知らなければ、誰もここがラーメン屋だと知る由はない。
開店は朝11時。
10分前にそこを訪れるとすでに10台分ほどの駐車場はほぼ埋まっている。
開店5分ほど前から、車から人が降りてきて、閉ざされたシャッターの前に並び始める。
真冬の会津の人々は店内のテーブル数を理解し、慌てて行列することはしないのだろう。
雪国の知恵。
そして、ここが確かに「その」場所であることを確信させるのだ。
そして11時。
シャッターが開き、店内に案内される。コンクリートの床に整然と椅子とテーブルが並べられた昔ながらの食堂のようなたたずまい。
まぎれもなく、そこはラーメン屋であった。
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すぐにネギチャーシュー麺を注文。
中太ちぢれ麺に、スープは鶏ガラだしのあっさり醤油、とろとろのチャーシューがまたたまらない。
これは週3で食べられる飽きのこない味。
「うまい、うまい」
と、うんうんうなりながら食し、店をあとにすると、店外の人だけでなく、駐車場につづく道路には車の行列ができていた。
3時間のみの営業で、閉店は14時というが、昨日13時過ぎに訪れた時にはすでにシャッターは閉じられていた。
2時間未満の勝負である。
この幻のようなラーメン店「古川農園」。
この数年、田舎で一番好きなお店です。