たてものハイ:梵寿綱の建築物を巡る その16
梵建築をめぐる梵散歩。
今回は梵建築跡地の訪問です。
かつて中央区日本橋にあった塚田ビル跡地。
この辺りは兜町近くで重厚な建築物多数で実に楽しい。
現在は「小網町倶楽部」という14階建のマンションとなっています。
築年月は2015年2月。(不動産サイト「LIFULL HOME’S」より)
塚田ビルは田中俊郎時代の作品。
在りし日の姿は、こちらのサイトなどで確認できます。
googleストリートビューで在りし日の姿を見てみましょう。
(googleストリートビューより 2009年12月撮影)
(googleストリートビューより 2010年1月撮影)
堅い印象のデザイン。側面最上階の丸い窓が印象的です。
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2013年の夏頃は取り壊しの最中のようです。
(googleストリートビューより 2013年7月撮影)
塚田ビルに関しては、雑誌「新建築」1969年11月号に詳しく紹介されています。
田中俊郎時代の作品ですが、ここですでに「設計 梵」の記載があり、梵建築の真髄を評しています。
(「新建築」1969年11月号)
梵は(中略)田中俊郎を中心とする設計者集団である。(略)
梵はここに紹介する塚田ビルをはじめ、デザイン密度の高い建築をいくつか設計しているがそれらを通じて密教の曼荼羅のその設計理念を求めている。(略)
設計者によれば、上記の(注・本誌掲載)空海のことばがこの設計の根本につらぬかれている理念であるという。多様化する建築するデザインの方向の中で、この理念の展開は注目に値しよう。(編)
外見は一見堅く地味かもしれませんが、内部は梵寿綱らしい独自の世界観が散見されます。
(「新建築」1969年11月号より)
(「新建築」1969年11月号より)
エレベーターのエッチング装飾。
(「新建築」1969年11月号より)
特徴的な側面の丸窓。
(「新建築」1969年11月号より)
その内部は6階のサロン。
(「新建築」1969年11月号より)
1階ホールのシャンデリア。
(「新建築」1969年11月号より)
磁石による照明器具。
(「新建築」1969年11月号より)
ガラスブロック。
(「新建築」1969年11月号より)
うーん。
現物が見たかった・・。
(跡地訪問日 2022年3月10日)
(→「たてものハイ:梵寿綱の建築物を巡る その17」に続きます)