ビートルズ来日公演 0702昼 志村けんテープ
志村けんが高校2年生の時、1966年の武道館でのビートルズ来日公演を観ているというのは、有名な話かと思います。そして、志村がその際に演奏をカセットに録音をしていたということもよく知られています。
志村が観たのは、来日公演4回目に当たる7月2日(土)昼公演と言われています。
日付に関しては、志村の「前座にドリフが出演していなかった」という発言から断定ができます。ドリフが前座で出演したのは、6月30日、7月1日のみです。
「ニアミスですね。でも本当はそのドリフターズの回を俺が観たって言う方が、世間的には面白いんじゃないかって、いっときそういう風に言ってましたけど、実は違うんです。」
※TBS「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」2019年4月5日放送、2020年4月3日再放送
「加藤(茶)さんは、『俺たちがビートルズの前座をやった時に志村が見にきた。あれが運命の出会いだった』とか言ってるけど、本当は俺、見てないんです。俺が行ったのはドリフが出ていない日だった(笑)。」
※「ノーサイド」1995年11月号 P30(文藝春秋)
ナレーション「最終日のコンサートを見ていたひとりの高校二年生。この高校生は、のちに日本人なら知らない人はいない、という有名なコメディアンになります。」
※NHK「来日40周年 ビートルズの103時間」2006年8月21日放送
7月2日は、昼夜2公演行われています。
しかし、志村が昼夜どちらの公演を観たのかということは、私には特定できませんでした。
さて、この志村テープ。
もし、テレビ放送のために撮影が行われた6月30日(木)夜公演、7月1日(金)昼公演以外の記録が存在すれば、大変に貴重なものです。
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しかし、志村がいくつかのインタビューで答えている話では、残念ながら、とても聴くに堪えうる音源ではなかったようです。
「僕だまって・・・ホントはいけないんですよ・・・こんな小さいスピーカーで、バッグの一番下に入れて、録ったんですよ。」
「でも、帰りの電車の中で聴いたら、隣のおねぇちゃんが『ポール〜!』『ジョン〜!』って(声ばかり入っていて)。なんだこれは!?」
※TBS「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」2019年4月5日放送、2020年4月3日再放送
「友達に借りたテープレコーダーと、双眼鏡型のちゃっちいカメラを持っていったんですよ。隠し撮りしようと思って。会場はけっこうチェックが厳重で、カメラだってわかると、フィルム取られちゃう。ガシャって音がすると、腕章をつけた警備員が飛んでくる。実際に、目の前でカパって開けられてるのが三人くらいいました。
二階の前から三番目くらいで、いい席でした。それで演奏が始まる直前に、バッグの一番下に忍ばせてあるテープのスイッチをカチャっと入れた。警備員の目を気にしながら、そーっとね。」「帰りの電車の中で、待ち切れなくて聴いたの。音は録れてたけど、ポールのベースギターの『ウーンウン、ウーンウン』ていう音と、女の子の『キャー』っていう声とか、そんな部分しか入ってないんだよね(笑)。バッグを椅子の下に置いたもんだから、ベースが椅子に反響する音しか入んないのね。もう、最悪の音だったね。」
※「ノーサイド」1995年11月号 P30(文藝春秋)
日本側が用意したアンプのトラブルのため、来日公演3回目に当たる7月1日(金)夜公演から、当時の最新機種で出力の高いVOX7120が3台、内ひとつはベース用に改造されたものに機材が置き換えられています。これを境に、武道館に響く演奏の音は劇的に変わったと言われています。(参考:「MUSIC LIFE ザ・ビートルズ日本公演1966 特別版」シンコーミュージック・2018年)
私たちが知っている6月30日(木)夜公演、7月1日(金)昼公演と、音像がどのように変化したのか、この耳で確認をしてみたいです。
残念!