【視聴前レビュー】エレファントカシマシ 1988.09.10 渋谷公会堂
いつか実現しないだろうか・・・。
そんな思いがホントに叶ったりすることがあるもので。
「LIVE FILM エレファントカシマシ 1988.09.10 渋谷公会堂」がホントにリリースになって手元に届きました。
1988年といえばエレカシのデビューの年。
で、この渋谷公会堂のライブといえば「客電つけっぱなしでセットも無し」の噂に聞いた初期の名演。
この時の映像は、EPICソニー企画製作の音楽番組「EZ」で当時の最新シングル「ふわふわ」と、1stの1曲目「ファイティングマン」が放送されました。
放送当時、私は上京前の田舎の高校生。
渋谷陽一のラジオでデビューシングル「デーデ」を聴き、
『悲しいことあっても一人きりになっても 金があるじゃないか 金があればいい』
『友達なんかいらないさ、金が友達さ』
とうそぶく(とは当時は思ってませんでしたが)爆烈ロックにまさに胸ぐらを掴まれ往復ビンタを浴びるがごとき衝撃を受けたのです。
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CDで彼らの音に向き合うだけでは飽き足りず、エレカシを頻繁に取り上げていた「ロッキング・オン」、そしてまだ不定期刊だった「ロッキング・オン・ジャパン」でその情報を追い掛けました。
・エレカシのライブは立って観ると宮本に怒られる
・宮本は客が拍手すると怒る
・アンコールなんて絶対にやらない
そんな記事に想像力は煽られまくりで、ますますエレカシの夢中になりました。
「紙のプロレス」ならぬ、まさに「紙のロックンロール」。
当時そんなエレカシの映像を観れるほぼ唯一の番組が「EZ」でありました。
「ファイティングマン」放送回は見逃してしまったのですが、「ふわふわ」放送回の録画ビデオを何度繰り返して観たことか。
この3分間に稀有なロックバンドの生の姿を、夢想に夢想しまくったのであります。
・・・・それから数十年後。
2013年にエレカシの1stアルバムの25周年リマスター盤がリリースされました。
このボーナスディスクに、なんとこの1988年9月10日の渋谷公会堂のライヴ音源がノーカットで収録されたのです。
この時確信しました。
「この時の映像は全編残っている」
と。
そんな映像がなんらかの形でいつか観れるのではないかとささやかなる期待をし続けていた中、つ、ついに今回のリリースであります。
襟を正して震えて観ます。
正直、最近のエレカシの活動はほとんど追いかけられていないのですが、今回の奇跡とも云えるリリースは、彼らが約30年間第一線で活躍し続けているからこそ実現したののだと思います。いやぁ、素晴らしい。
ということは、1991年の武道館3000席限定ライブも全編あったりするのかしらん。
それもはよはよ!
【追記】
これだけ画力(えぢから)ある映像が残されたのは、当時EPICソニーの映像ディレクターだった故・坂西伊作が初期エレカシに惚れ込んだからゆえであります。坂西さんが撮ったEZのエレカシは「EPIC映像作品集」にほぼ網羅されていると思うんだけど、どれも風化してないんだよね。いつ見ても引き込まれてしまうのです。