江戸の盛り場ランキングガイド「九蓮品定」届く
年末に複製をお願いしていた「九蓮品定」が国会図書館から届く。
「九蓮品定」は安永・天明年間に活躍した狂歌師・戯作者の蓬莱山人帰橋作の、江戸の岡場所(幕府公認の色里、吉原遊郭に対して、非公認の「岡場所」といわれる遊び場)の特色を挙げて比較を加えて掲載されています。
要するに簡単なレビューや予算感を掲載した、江戸時代の盛り場ランキングであります。
昔から日本人はこういう番付を作るのが好きなんですね。
以下に、ランキングと地名を載せてみます。
半分以上、現在のどの辺りに当たるのかわかりませんし、地名が数ヶ所ダブってるのが何故だかわからんのですが、眺めてるだけでも実に楽しいです。
【ランク1:上品上生之部】 新吉原、馬道
【ランク2:上品中生之部】 品川宿、一ツ目、回向院前
【ランク3:上品下生之部】 深川仲町、土橋、赤城、麻布水川
【スポンサードリンク】【ランク4:中品上生之部】 深川表櫓、深川裏櫓、深川裾継、『四谷新宿』、芝神明地内、南品川宿、牛込行願寺
【ランク5:中品中生之部】 深川佃、同新大橋、深川新地、深川石置場、八幡御旅所、築立新地、市ヶ谷八幡、三田同朋町、大根畠、浅草柳下、上野山下
【ランク6:中品下生之部】 三十三間堂、音羽町、深川入船町、市谷愛敬、赤坂田町、三田新地、谷中いろは、麻布藪下、板橋宿、浅草どぶ居、世尊院門前、根津、千住宿
【ランク7:下品上生之部】 朝鮮長屋、音羽裏町、品川三丁目、萬福寺門前、本郷、大橋六間堀、麻布市兵衛町、赤坂田町
【ランク8:下品中生之部】 安宅長屋、直助長屋、麻布藪下、浅草どぶ店、本郷丸山、三田同朋町、三田新地、浅草堂前、深川網打場、高稲荷、四谷鮫ヶ橋
【ランク9:下品下生之部】 市谷ぢく谷、佃こんにやく嶋、本所入江町、吉田町、吉岡町、音羽鼠坂、世尊院門前、品川鈴森、井野堀
【ランク外:類抜】 新大橋袂、三嶋門前
ちなみにわれらが四谷新宿は【ランク4:中品上生之部】となかなかの高評価。
レビューは
「芝、品川、三田、あるひは深川、所々より入込、いまだ風俗きわまらず、大ていは品川をまなぶ、しかし人がらおよばず」
とちと辛口。
しかし、高級過ぎず気取りすぎず、親しみ安い場所であったことが察せられます。
そんなわけで「内藤新宿・大木戸・四谷四丁目史wiki」、1772年~1789年(安永~天明期)「岡場所としての人気と評判」の項を更新しました。