kindleで文字をむさぼりまくる
kindleを手に入れて約1週間。
日々持ち歩き、寝床のお供として来て、これはこれはiPhoneともiPadともだいぶ役割が違う、文字情報を消化するのに最適、快適なデバイスであると感じています。
しかもたった79ドルと来たもんだ。
もちろん私の手元にあるのは、出る出ると言われながらまだ詳細が見えない日本版ではありません。Kindle Storeから買えるのは、英語圏の本ばかりだし、そもそも日本国内から買えるのかもよくわかりません。そもそもそもそも私は英語の本を読めないし。
それでもkindleが面白いと思う理由。
kindleは電子書籍を買って読むというより、これは読みたいという文字情報をガンガンぶち込んで消化する道具として最適なのであります。
ちなみにこれが、今朝の私のkindleの本棚。
●日本語フォントが搭載されているので、PDFはもちろんTXT、DOC データが何ら障害なく読める
これは想像以上でした。日本語表記に関しては全くと言ってよいほど課題はなく、搭載フォントは丸ゴシック系を中心に決して多くはないですが、充分読みやすいです。もちろんフォントが埋め込まれたPDFはそのまま表示します。
kindleで本を読もうと思ってまず思い浮かぶのが「青空文庫」のコンテンツの活用かもしれません。
サイトからテキストデータをダウンロードして、kindeにUSB経由、またはメール添付(後述)でぶち込んで読むというのも手軽ですが、コンテンツが横書きでデフォルトの日本語フォントで表示されるので、どうも気分が出ません。
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そこで「青空文庫」のコンテンツをkindle表示に最適化してくれるサイトやツールを活用します。
色んなサービスがありますが私が気に入っているのは、縦書きでkindleのサイズに最適化し、明朝体の組版のPDFを作成してくれる「青空キンドル」です。
サイトに書籍のZIPデータのURLを入力するとPDFデータに変換してくれるのですが、ブックマークレットもあって、「青空文庫」の欲しい書籍ページからダイレクトにPDF変換してダウンロードが可能です。
●漫画データによくあるZIPにまとめられたJPEGもきれいに表示出来る
スキャンしたJPEGをZIPにまとめた漫画データも(もちろん元のスキャン品質によりますが)美麗に表示します。
kindleは漫画リーダーとしてもとても優れていると感じていて、ちょうど手にしたサイズ感も、小学館のてんとう虫コミックや集英社ジャンプコミックスと似ていて妙にノスタルジーを感じます。
●kindleにメールアドレスが割り当てられており、メール添付で読みたいデータを送れる
そしてそしてkindleを入手するまで知らなくて、こいつは面白いを思ったのが、kindleには1台1台メールアドレスが割り当てられているということ。
で、何に使うかというと、メール添付でkindleで読みたいデータをこのアドレス宛に送ると、kindleの本棚に入ってしまうのです。
メール添付で送ってkindleで読めるデータフォーマットは下記の通り。
Microsoft Word (doc, docx)
Rich Text Format (rtf)
HTML (htm, html)
Text (txt)
Archived documents (zip , x-zip)
Mobi book
Images (jpg,gif,bmp,png)
Adobe PDF (pdf)
「これあとで目を通しておかなくちゃ」
なんてな書類は、ぱっとkindleにメール添付で送っておくわけです。
このkindle専用メールアドレスによって、文字情報貪りツールとしてのkindle活用の幅はとても広がるのです。
続けます。
●「後で読む」ウェブクリップの手軽さ
「Instapaper」をはじめウェブサイトを「後で読む」ことをサポートするサービスがいくつかありますが、でも意外に「後で読まない」ことが多かったりします。ホントは読みたいのだけれど、少し面倒くさかったりして。
「これはいつか何かに使える記事だ」というものは「evernote」にクリップして保存しますが、「これ後で読もう」と心に引っかかった記事の場合は、そのようにクリップして保存するほどのものではなく、「読んで消化してしまいたい情報」であることが多い気がします。
そこでkindleなんです。
前述のkindle専用メールアドレスがあるおかげで、「後で読む」とピンと来たサイトをワンクリックでkindleに飛ばしちゃうわけです。
「Instapaper」にもkindleに記事を飛ばす機能があるのですが、個人的に気に入って使っているのがGoogle Chrome用の拡張機能の「Send to Kindle」。
インストール後の初期設定を行えば、あとはボタンひとつでサイトのメインとなるコンテンツ部分を抽出してkindle宛にメール送信してくれるのです。
朝ニュースリーダーでタイトルを眺めて、気になった長めの記事はガンガンkindleに飛ばしておいて、移動の電車内でまとめて読む、そんなことが出来ちゃうんです。これが実に気持ちよい。今最も気に入っている活用法のひとつです。
●calibreとの強力連携で新聞いらず
電子書籍版iTunesともいえる、管理アプリ「calibre」
というものがあります。電子書籍を著者や出版社別に一元管理したり、書籍形式を変換したりと重宝するアプリです。
そんな「calibre」のこれまた強力なのがニュースサイト、新聞サイトの取り込み機能です。世界中のニュースサイトがあらかじめ登録されていて、日本からも「Yomiuri Online」「毎日新聞」「時事通信」をはじめとした新聞サイト、「CNET Japan」「Endgadget日本語版」といった何かと重宝するニュースサイトなど26のサイトが登録されています。
ここから読みたいニュースサイトを選択し、例えば「毎日朝6時に記事をダウンロードする」とスケジュール設定をしておくと、毎日決まった時間にお気に入りのニュースサイトの最新記事を、ごそっと保存してくれるわけです。
で、私はお出かけ前に「calibre」の「接続・共有」機能でkindleのメールアドレスにコンテンツ送信ボタンをクリック。これでニュースサイトの記事がkindleに電子書籍として保存されます。
数紙を登録するだけで、1時間ほどの移動時間では読み切れないほどの記事がkindleに保存されます。
これは正直新聞いらず。とても重宝しています。
ざっとこんなところが、この1週間kindleを使ってみての面白さ、便利さです。
あと何より「てんとう虫コミック」サイズで片手で持てる、本をめくって読める、軽い、薄いというのも、毎日いつでも持っていられる大きな強みです。
ただ、あえて残念な点を上げるとすれば、PDFを読む場合データサイズは新書サイズが限界というところです。基本的にディスプレイサイズにフィットさせて表示させて読むのが前提ですので、新書サイズを超えると文字を読むのは難しいと思います。拡大表示ももちろん可能なのですが、「めくってスイスイ読む」というのは現実的ではありません。
ここはiPadの出番なのでしょう。
また、世の電子書籍ブームとされる騒ぎを見ていて少し冷めてしまうのは、「どんな本を誰がどこの本屋さんでどのフォーマットで出すか」ということで喧々諤々やっている間に、そんなこととは関係なく、こうやってユーザーはどんどん電子的に文字情報を読み始めてるってこと。
Kindle Storeから本が買えなくたって、kindleでこんなにも文字をむさぼりまくることが出来るんですから。
(もちろん読みたい本がいつでも買えるようになるのはとてもとても楽しみです)
さぁ、今日も読んで読んで読みまくるぞー!