●天覧奇術のカセットを探せ8
昨日、NHKディレクター氏から、龍光さんの墓のある浅草の萬隆寺への取材報告を聞き、複雑混迷極まりない状況にかなりへこむ。
「この件に関して深入りするのはやめるべきなのでは」という気持ちに。
私の祖母が「龍光は晩年悪いのにつかまった」「晩年は不幸だった」と云っていたと父親を通じて聞いていた意味が少しわかった気が。いやいやまだまだわからないことが多すぎるのですが。
さて、先ほど龍光さんの実家の多宝寺の住職の阿達真任(まさと)さんとお話をさせていただきました。
改めまして整理いたしますと多宝寺の歴代住職は
1.龍光さんの弟(故人)
↓
2.ケンスケさん(故人)・・・奥さんは健在
↓
3.真任さん
となります。
私から
・アダチ龍光さんについて話が聞きたい
・天覧奇術のカセットの所在を知りたい
・中川家の連絡先を知りたい
・正月にNHKで取り上げる
と意図をお伝えいたしますと開口一番
「いやぁ、正直私は良く知らないのです」
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というお言葉。また突然の遠~い親戚筋を名乗る男からの電話で、初めはとても怪しんだことでしょうが、色々とお話を聞かせていただきました。
龍光さんが、実家に帰ることは本当にまれだったらしく、母校である鹿瀬小学校100周年記念で帰郷した75年5月が最後ではないかということです。真任さんは当時高校生で「酒盛りをしていたことを漠然と覚えている」とのお話でした。
その辺の話は地方紙「新潟新報」2004年6月20日の連載「幕下りるとき」の龍光さん特集でも真任さんが取材に答え、書いてあります。
>記念式典に出席、トランプ奇術などを披露した。
>実家に泊まり、「おやじと一緒に喜ん
>で、ねじりはちまきで肩を組んで飲んでた」
というエピソードも掲載されています。
「『新潟新報』の記事も読みましたよ」
と言う話をしていると。。。
「で、もう一度貴方が誰だか説明してくれない?」
と言われ、
「あ、はい、龍光さんの腹違いの妹の、会津の広田の阿達トキの孫です」
「ああ、トキさんね。はいはい。なるほどなるほど。で、何で貴方が龍光さんについて調べてるの?」
「いや、手品好きで。で、身内に龍光さんがいることを数年前思い出して、それから色々調べるようになりました」
「で、貴方はNHKの人なの?」
「いえ、違います。」
「何で貴方がNHKの協力をしてるの?」
「龍光さんについて調べたことをインターネットに書いているのですが、それをNHKのディレクターさんがご覧いただいて、連絡をいただいたのです。私も興味がとてもあるので、出来る範囲で調べています」
「ああ!ひょっとしてそれがあんたか!!」
「へ??」
前述の「新潟新報」から真任さんが取材を受けた際、記者さんが、龍光さんについて事細かに書かれたWebサイトのプリントアウトを持ってきて、
「アダチ某という人が龍光さんについて調べてインターネットで書いているが知っているか」
と聞かれたそうです。紛れもなく私・・・その「新潟新報」をオークションで高い金出して買っている私・・・。大笑いです。
そんな感じで、この辺りから少しずつざっくばらんにお話していただけるようになった気がいたします。
「じゃ、貴方も阿達なんだよな」
「もちろんです」
「血も繋がっているんだよな、へぇ~」
なんてな会話も。
さて、本題に戻ります。
龍光さんの葬儀には、父親のケンスケさん(故人)が参列したそうで、しかし「それ以降中川家とは音信不通。遺品といったものも一切残ってない」
というお話でした。
龍光さんが多宝寺に遺したモノと云えば晩年「子供向け奇術25種」というおもちゃを発売し、大儲けして実家に寄贈した釣り鐘くらいだそうです。これは以前にも書きました。
http://www.tonreco.com/ryukou/10.htm
例の「おもいっきりテレビ」の「今日は何の日」で龍光さんの命日を取り上げた際も真任さんが取材を受けたそうで、「丸一日色んなところを案内して、お昼まで御馳走して、どっちが取材してんだかわからなかったよ」なんてことも仰っておりました。
今回取り上げる「物知り一夜漬け」という番組を真任さんはご存じで
「それは楽しみです。カセットが出てくると良いですね。頑張って下さい」
と仰っていただけました。そんな住職のお言葉にジーンと来ました。
また最後に
「是非これを機に今後とも宜しくお願いいたします。一度お伺いさせて下さい」
とお伝えして、電話を切りました。うん、電話して良かった。
また、これはメモとして・・。
龍光さんの奥さんは屋恵子さん(新潟新報の記事より)というお名前、、養女は真任さんの記憶では(少々曖昧なご様子でしたが)「しげ」というお名前だそうです。
カセット最後の望みははやはり中川家か。。。
NHKディレクター氏からメール。
「龍光さんのお墓のある萬隆寺から聞いた中川さんへ何度も電話をしているが全く繋がりません。もし繋がっても期待薄ですが、とにかく一度、話をしたいところです。」
とのこと。
何か手掛かりが出てくることを期待してしてますが、あの複雑な人間関係から察すると遺品が出てくる可能性は微妙でしょうか・・・。
しかし・・・。
一般人の死ならいざ知らず、それだけの有名人の死です。
カセットのみならず、手品の道具などの遺品が、果たして全く訳の分からないところに消えてしまうなんてことがあるのでしょうか。
この点の不可思議さがすごく気になってきました。
多宝寺の真任住職は「奇術協会にないのかい?」と仰ってました。
でも、もしそうだったとしたら、ディレクターさんが取材しているお弟子さんのアサダ二世さんが知らない訳がないよなぁ。
でも住職のご意見も一理あるよなぁ。
さて。
大宅荘一文庫より見積がFAXが届く。
40枚を超えるコピー、つまり見開きで80数頁というなかなかのボリューム。しかし価格は5千円ちょいと思ったほど高くなく、オンラインで即入金処理。何か新しいエピソードが見つかると良いのだけれど・・。
(つづく/2004.10.5.)