只今帰宅。
本日、新子安はビクターのVJC
Mastering Centerにてアルバムのマスタリングが完了いたしました。
すごいぞこれは!自信作!
・・・くたくた。
写真は完成直後記念にパチリ。ブランといしどさんにエンジニアの柴さん(いい仕事してます)。
ライナーノーツの松沢呉一(感激!)氏の原稿も到着。これで今回のアルバムのクレジットが出揃いました。そんなこんなも更新いたしました。
ついにここまで来ました。
2週に分けて進めて参りましたアルバムのトラックダウン作業が無事完了いたしました。思えば2月から通い続けてきた板橋は「イエローナイフスタジオ」ともこれでお別れ。何とも感慨深くなりました。
まだマスタリング作業だの諸々作業が残っておりますが、ひとまずこれでほぼアルバムの全体像が見えました。とにかく、丁寧に「作品」を作ることが出来たと自負しております。前作「やらわかな夢」はブランにとって初めてのレコーディング経験で、右も左もわからずとにかく「ライブバンドとしてのブランをどこまでパッケージ化出来るか」がテーマでありました。もちろんこのアルバムもそれまでのブランの活動の集大成として勢いも青臭さもそのまま入った大好きなアルバムです。
今回はそこにプラス、「どうしたらより格好良く、気持ちよく、楽しくブランをお聴かせ出来るか」を音源に盛り込む客観的視点というか冷静さが持てた気がするのです。ライブ会場で何度も耳にして下さっている方にも「おっ!」と思っていただける聴きどころがたくさんあります。そしてこのアルバムで初めてブランの音に触れられる方に対しては、「これは良い!」と気に入っていただけるにせよ、嫌われてしまうにせよ、「そうです、貴方が感じたその思いがブランと貴方の関係なのです。これからもよろしく、それともさようなら」と云える気がいたします。
昨日のトラックダウン後、元「インディーズ・マガジン」高田氏の取材を受けました。5月15日に創刊される「インディーズ・ロック・マガジン」掲載用のインタビューです。私としてはその辺のことを上手く言葉にしたかったのですが、インタビューって苦手です。なかなか難しいものです。でも高田さんだからきっと上手いことまとめてくれるはずだと甘えてみたりしております。
雑誌の付録CDには、アルバム冒頭曲の「ムード」がフルで入りますので、是非発売前にお試しいただけましたら幸いです。
「屈折した詞世界を持つ情念系ギターバンド」。
よくブランを形容する時に出てくる言葉です。形容詞が出てくるってのは個性があるということで有り難いと思ってます。今回のアルバムはより歌詞は直接的な言葉になっているし、演奏は暴走度に爆音度を上げてます。詞も曲も演奏も自己中心、ブラン中心。でも聴いた方に「格好いいロックだよね」「言葉はどぎついのにポップだよね」と云わるように日々精進して参ります。
どこかで書いたかしゃべった記憶があるのですが「聴き手やお客さんを意識してますか?」という質問を受けるたびに「ばか云ってるんじゃない!当たり前だ」と云わないにせよ、はらわたが煮えくり返る気持ちになります(もちろん、高田さんはそんな質問はしません)。自己中心、ブラン中心で自分が納得できるモノを作るのは当たり前、そんなもんは大前提です。でもそれを相対する他者に伝わらなくては意味がないのです。伝えるために何をするか、出来るかが、少なくとも私にとって音楽表現に携わる重要な要素だと思ってます。聴き手やお客さんを意識しないのなら、自部屋でせいぜい叫ぶなりしておれば良いのです。
そんなわけでニューアルバム「憧れと幻想」は5月25日発売です。どうぞこちらでお試し下さい。
何卒何卒。
毎年「行こう、行こう」と思いつつ、期を逃して早数年。
川崎の金山神社で4月に開催される「かなまら祭り」に、本日念願の初参加をすることが出来ました。
松沢呉一ファンや性神マニアにはお馴染みの、国内では愛知県の田県神社に並ぶ有名なお祭りです。
前日のアルバムのトラックダウン作業でクタクタになってしまって、
会場の京急川崎大師駅前にある金山神社に着いたのは3時過ぎ。
御輿の行列や、大根削り(大根を男性器、女性器に模して包丁で削り、お供えするのです)には、間に合わなかったのですが、境内は人、人、人でごった返しておりました。
話には聞いていたけれど、欧米人の来場が多いこと、多いこと。
松沢さんの「鬼と蠅叩き」(翔泳社)にもこの件に関する言及があって(フイゴとセックス―金山神社に見る性器崇拝)、米軍基地関係者がバスに乗ってごそっとやってくるという話ですが、欧米にも性器信仰あれど、ポコチン御輿に大根にとここまで大らかな祭りってのは珍しいってことでしょうな。
私もご神体や行列を終えた御神輿を眺めたり、さすったり、写真を撮ったり。ふと横を見ると頭にポコチンの木の彫り物をくくりつけた爺さんが、若い女性に抱きつかれたり、次々と記念撮影をせがまれたりしてる。
普通そんな爺さん変質者以外の何者でもございませんが、かなまら祭りじゃ「微笑ましい光景」として映るから素敵。いやぁ、楽しいったらありゃしない。
そんなこんなしていると、境内真ん中の人の群れで、大根削りの優秀作品(?)の競りがスタート。お供えものをオークションしちゃうってノリもすごいけれど、「まずは東京都からお越しのピエール瀧さんです」というアナウンスで本人が登場してたのには笑いました。
これって営業なんだろうか?
でも、すぐ1500円で買い手が付いて、そのまま司会もコメンテイターをするでもなく消えてしまったので、もしプライベートで来場だったのなら「同志よ!」って感じでうれしいっすが。
そんなかなまら祭りと金山神社。
現在は商売繁盛、子孫繁栄、安産、縁結び、夫婦和合の神様として知られておりますが、元々は川崎ということで工業の街。製造業の企業が工場現場の安全をピストンに託し、祈願したのが始まりという話だそうです。ビストン運動が性の営みに転じたというわけです。
田県神社をはじめ性神信仰は、五穀豊穣祈願から派生するのが一般的で、金山神社のようなケースは大変稀だそうです。また明治維新や戦後「性を神様とするとは何事か!」と性器信仰はことごとく弾圧されたという経緯もあり、金山神社がかなまら祭りで大々的に性器信仰を復活させたのはここ25年ほどの話であります。
その辺り前述の松沢さんの「鬼と蠅叩き」に詳しく言及されております。
大事にしたい、日本のこころ。
かなまら祭りは毎年4月第1または第2日曜日に開催です。
来年も行くぞー!