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第4回 顔文字論


こんにちは(^O^)/
は、初めて使った・・・(^^;)。

この、文字を使って人の表情を描く「顔文字」だとか「フェイスマーク」、時に「スマイリー」などと呼ばれるものを最近メールやチャットはもちろんのこと、雑誌などでも頻繁に見掛ける様になった気がする。

もちろん顔文字自体は半角英数や半角カナでやりとりしていたパソコン通信勃発期から使われていたわけで、極めて無機的な半角文字での会話に視覚的要素を加え、少しでも言葉の細かいニュアンスを伝えようと考え出されたってわけだ。

でも2〜3年前は確か顔文字を文末に使うと「ニフ上がりのネットじじぃ」みたいな云われ方をしていた気がするのだがどうか。
まぁ結局のところネット新参者が「こんな面白い表現があるのか」と思いつつも、ひねくれて意地を張ってたってだけなのかもしれんが。
まぁ女の子が手紙などの文末にハートマークを書くみたいな感覚で気軽に使っちまえばいいんだろう。

私自身、パソ通やらインターネットを始め、顔文字に初めて出会った時、「うわぁ、何か新しい世界に踏み込んだのだなぁ」とドキドキしたものである。ただ文頭にも書いたけれど、これまでメールにせよ何にせよ文中に顔文字を用いたことは一度もないと思う。慣れてしまえば簡単なんだろうけど何かメンドくさくて・・・って単にそんだけなんだけれど。まぁMSIMEやらATOK、Macだったらことえりの辞書機能に単語登録して「ははは」を変換すれば「(^o^)」と出るってことにしちまえばいいんだけどね。
でもでも通になるにはキーボード直打ちが基本って誰かが云ってましたけどね。

単語登録で思い出したが頻繁に使う単語、例えば自分の名前なんかは最初の数文字を入力/変換で出て来るように登録し、作業の効率化を図るってのはごく一般的に行われていると思う。「だいひょ」を変換してやると
「遁生レコード代表 kakou@t3.rim.or.jp http://www.t3.rim.or.jp/~kakou/index.htm」
って出てくるみたいに。住所なんかにもよく使う手である。
あとそもそもウチの冠の「遁生」って文字だってある人の造語なわけで普通に「とんせい」で変換すれば「遁世」ってのが出てきてしまう。「とんいきる」とでもやれば一発だが「遁生きる」に2回バックスペースが面倒だ。
これだって「とんせい=遁生」だって登録してやっているわけだ。
あと気に入らない上司のパソコンにそいつの名前を入力すると「バ〜カ」と出るように登録するなんてなイタズラも基本と云えば基本である。

脱線ついでにもうひとつ云わせてもらえば、私自身文末に顔文字は使わないけれど、「(笑)」ってやつは好んで使わせてもらっている。これなんかの方が雑誌媒体ではおなじみかもしれない。インタビュー記事で言葉の最後に「(笑)」が付くことで文字上では大それた発言と取れる事柄も自嘲気味に発せられたものだって事がわかるし、「はいお客さんここで笑って下さいよ」と林家三平のネタみたいな役割を果たしたりもする。

まぁ「(笑)」にせよ顔文字にせよ文中にあまり使いすぎてはいやらしいし、時と場合をわきまえないと相手に失礼に当たる場合もあるわけで、使う側のセンスも問われるって意味では共通だったりする。

さっきから何で使いもしない顔文字の話をしているかと云えば、先日ある人物からいただいたメールの中に
 (⌒▽⌒;
という顔文字を見付けたからだ。

いやいやひょっとしてうまく伝わらないかもしれない。
顔文字といえば「(^O^)」やら「(^_^)」などと半角文字が基本だと思っていた中、突如現れた全角文字を使ったさらに表情豊かな顔文字。日常顔文字を頻繁に用いている方には既におなじみの表現なのかもしれないが、私自身かなりのインパクトを受けた。半角オンリーのパソ通黎明期からひらがな漢字はもちろんインターネットで2バイトバリバリに移行した現在、それは必然と云えばそれまでなのだが、「ひょっとして今、顔文字の世界が熱いのでは?」と私の心をメラメラとさせたわけである。

調べてみると、あるはあるはの顔文字サイト。どこも積極的に全角文字、記号、時にドイツ文字まで使って人の様々な表情や動きを表現している。時にMac-Win間の互換性を無視した機種依存文字まで用いていたりもするわけで並々ならぬ顔文字への意欲が伝わってくる(上記顔文字、以下で取り上げる顔文字に機種依存文字が含まれている場合は何卒ご了承を)。

GOGO'S」(http://www.synapse.ne.jp/~bagc3/index.html)では Winユーザーを対象に500種を越える顔文字のMSIMEとATOK用辞書ファイルがアップされており、これをダウンロードして登録すれば、一度にこれだけの数の顔文字を自由自在に操る事が出来る。

ちょっと無断転載させていただくと
( ̄ー ̄;)フッ・・・
とか
<( ̄^ ̄)>エッヘ
何てものは可愛いもので
( -.-)ノ・・・−〜=〜≡〜≡
と来ると一見何が何だかわからない(「念力!!」だそうだ。なるほどね)。
( ・・)-○))〜〜〜〜〜〜Ю ☆)゜o゜)/
(ロケット・パ〜ンチ!)
★O=(`_` )(メガトンパンチ!)
何てのもある。・・・いやはやいやはや。
中でも特に気に入ったのは 
( ^-^)_旦~~
これ「お茶」だそうだ。逸品である。

そんなこんなですっかり夢中になってしまった顔文字の世界。
こうなるととことん調べたくなるのが人情ってやつ。

顔文字の歴史に関しては

今泉洋のインターネット豆知識【98年7月2日号】
 (http://town.hi-ho.ne.jp/club/kaiho/0702f_r02s.html)
Smiley History
 (http://www.etl.go.jp/~harigaya/doc/kao_his.html)

に詳しかった。下の「Smiley History」は'92〜93頃のニューズグループでのやりとりをまとめたものなのだが、階層を上がっていったら
通商産業省工業技術院 電子技術総合研究所 電子技術総合研究所 電子基礎部 針谷 喜久雄 博士
という何ともお偉い方のサイトだった。一言ご挨拶のメールでも送っておきましょか。

顔文字の発祥は当然と云えば当然、パソ通先進国アメリカってことになる。だが意外だったのが当時アメリカで使われてた顔文字ってのが横置き型であったということ。

横置き型とは
Good job! :-)
てな具合に顔を90度傾けた形のこと。半角3文字で実にスマート。
個人的にはこっちの方が好感が持てる気がする。

他のバリエーションは同じく針谷博士のサイトの

Smiley in USA
 (http://www.etl.go.jp/~harigaya/doc/kao_usa.html)

をご覧アレ。

アカンべー :-P
何てのが可愛くて良いですな。

では我々が馴染みの深い「(^O^)」といった縦置きの顔型も同じくアメリカで生まれたものかといえばどうもそうではなく、日本産のものであるという意見がホントか嘘か一般的であった。

だが実際これはあり得ない話ではなく、1バイト言語圏で生まれたパソ通におけるコミュニケーションを2バイト文字を日常扱う我々がそのまま使うにはとてつもない不自由があったはず。
国内のパソ通黎明期、2バイト日本語文字を使えるパソコンはまだ普及出来る状況ではなかった。
普段なじみのない1バイトによるコミュニケーション、半角英数ローマ字による「konnichiwa! watashi wa...」そしてそれが半角カナになったにせよ、云いたいことを充分に伝えるにはもどかしさが残ったことは想像に難くない。

こんな中、横置きの顔文字が登場し、言葉のニュアンスを視覚的要素を付加することでより的確に伝える手段として普及し、縦置きへと発展していったのではないだろうか。そもそも半角アルファベットと数種の記号で文字によるコミュニケーションが完成してしまっている1バイト言語圏では顔文字の発展の必然性はなかったとも云える。代わりに欧米では

               z
             z"F"$$.
       -%- . Led$$$$P-
              3$3 F3$%
              " ^  .3""
                 d***$$e.
              r .%     ^"%
              '$$r
               3$$  *$*$$$$$
                '$$. *b'b"$*$.
                  *$. "L^L"b"$-
                   "$b '. L^b^$
                    ^$$bJ  \ b^$ .
                    b *$$$b.\ \ b \
                    *$."$$$$$b.. % %
                    4$$r'$$b *$.%.\ ".
                    ^$$  $$P  "$.'c^c"e
                    4P"  $F%   '$.'c^r*$c
                    $    $      '$.'c^c "$-
                   $%   .$       '$.'L^b
           J$$$$$$$$$$$$$$$$$$    
                         (うまく表示されなかったら失礼!)
といったイラストや画像を文字や記号で表現するアスキーアートの発展という方向へと向かったのではないだろうか。

このアスキーアートもメールの署名に簡単なものを載せたり、広告媒体などに用いられたりと身近なものとなっているが、かなり奥が深そうな世界である。これまた関連サイトは全世界に無数にある。

特に
Christopher Johnson's ASCII Art Collection
 (http://www.chris.com/ascii_art_menu.html)

は圧巻。小物から超特大アスキーアートまでテーマ別にまとめてある。また画像ファイルからアスキーアートを作成するシェアウェア何てものもあった。
(http://www.sigsoftware.com/emaileffects/index.html)

日本産とされる縦置き型顔文字、上記「Smiley History」ではその創始者を巡ってのやりとりが収録されている。
この中では'86年頃まだ実験段階にあった「アスキーネット」で若林という方が「(^_^)」をハンドルとIDの後に使ったのが一番古いとされているが、縦置き型顔文字自体を若林氏が考案したものかというと、そこまでは本人にはわからないとしている。
ここでは「私が最初だ」と主張する方が数人登場するが、横置き型顔文字という見本があったということ、日本における1バイトコミュニケーションの不自由さという2つの要因から、クローズドなパソ通というネットワークが作られていく中で、同時発生的に縦置き型顔文字が生まれていったという可能性が強い。
そんなこんなで顔文字の世界について素人ながらに巡ってきた。
パソ通やインターネットの世界に於いて、日本語文字はもちろん2バイトをほぼ自由に扱えるようになったと云える現在、それでもまだメールなどテキスト中心のコミュニケーションは日常頻繁に行われている。
不自由さの中の苦肉の策という意味での発展の必要性はなくなったかもしれないが、より遊びの要素を強くし様々なバリエーションをもってたくさんの人々に使われているわけだ。
くれぐれも機種依存文字にはご注意をせっかくの顔文字も化けてしまっては云いたいことを伝えるのも逆に妨げになるなってしまうわけで。

これからは私も使ってみましょうか。
では(^O^)/。

(99.1.11.)

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