無題ドキュメント

あちゃら／無記名原稿

リクルート刊１９９７年４月号１１５ページ・原文ママ

　名前がまずすごい。遁生（遁生）。生からたてこもる。そんな恐ろしく内向的な言葉をレーベル名に掲げた極私的インディ・レーベル＝遁生レコードのページ。リリースされているのはいずれも時流への気配りといったこととはまったく無縁のどこまでも個人的な動機で鳴らされている音ばかり。それが不思議に清冽な印象を与える。「真に良い音楽や文章は、ごく個人的な世界を語ること以外、生み出し得ないと私は考えます。その個人的世界が他者を感動させたり、面白いと感じていただいたりすることは、個人の体験が他者の体験と共通のものとなる、もしくは作者の体験を自分の体験と勘違いするから起こるのだと思います」（遁レコ注・一体何が云いたいんだ？オレ）。レーベル・オーナー　　　　　の言葉だ。遁生レコードの音源は彼の「経済的状況が許す限り」と云う条件付きで無料配布されている。

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