Toru Kurihara / KORG




1. Medeski Martin & Wood / Shack-Man
Key, B, Drという編成のNYのジャズコンボ。ジャズといっても、ラウンジリザーズにも参加している人達で、音も「世界一ロックなジャズ」と言ってもよいくらい面白い。一度だけライブを観た事があるが、Keyのメデスキー氏は、クラビネットにディストーションをかけ、ワウペダルをかましてギャウギャウやっていたのでした。

2. The Muffs / Happy birthday to me
女性ボーカル/ギター中心の米国のトリオ。カテゴリーで言うとメロコア/パンクになってしまうのだろうか。もしもこの人らの歌詞が日本語だったら、バンドブームの頃のビーパンかもしれない。しかし、米国のこの手のバンドは日本のそれと違い、気合というかコードをかき鳴らしている時の感じがぞんざいでいいなと思う。
Muffsは、曲がイケイケであるのにせつな系なので、カーステなんかで大音量で聴くといいのだ。どの曲も短くて大したギターソロもなくかっこいい。しかしルックスは最悪なのでかわいそうである。リズ・フェアーやコートニー・ラブくらい器量がよければ今ごろアルバムは100万枚売れているだろうに。

3. Ben Folds Five / Whatever and ever amen
世界中のどこよりも日本で売れているBFFであるが、Brick というバラードが米国でちょっと売れそうな気配なので、もしも売れてしまったらうれしいがそれはそれでいやだなあ。日本でも、今度来日する時にもし武道館でライブする事になったらきっとつまらないだろう。スタンディングのところでないと絶対つまらない。

4. Original Soundtrack / Austin Powers
昔、ウエインズ・ワールドに主演したMike Myersが昨年米国で主演したお笑いスパイ映画のサントラ。日本でもやるのかどうかは知らないが、スノッブなマスコミが大げさに「全米興行成績一位!!」とか何とか言って紹介するかもしれない。筋は、30年前に冷凍冬眠した悪者とスパイが、現代に解凍されて蘇り色々ある、というもの。

5. 所ジョージ / 20th cAnniversarmy
シンガーとしては全く評価された事のない、あるいは歌手でもある事が世間では認められていない所ジョージの、歌手生活20周年記念アルバム。クレイジーキャッツのナンセンスさは、ある意味この人が継承しているとも言えよう。その視点は普遍的ですらあると思う。
パロディーとかそういう概念からも開放されてただただ意味が無い。有名曲をモチーフにした歌もいくつかあるが、茶化すというよりは愛が感じられ、姿勢としてはビートルズに対するラトルズのそれに近い。
コミックソングというくくりでは嘉門達夫の方が商業的成功を収めているが、あっちはウケようとしている作為しか耳に残らない。所ジョージの方が純粋に思い付くままサラサラと作っていて、結果的に、笑わせようとしていないのにおかしい歌になっている。



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